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プロ野球

立浪監督を解任するだけでは根本的な問題は解決しない。長期低迷が続くドラゴンズは「MLB流球団再建」を模索するべき<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2023.08.11

大きな期待を受けて就任した立浪監督だが、最近はファンから手厳しい批判を受けている。写真:THE DIGEST写真部

大きな期待を受けて就任した立浪監督だが、最近はファンから手厳しい批判を受けている。写真:THE DIGEST写真部

 中日ドラゴンズがもがき苦しんでいる。8月10日のDeNA戦に敗れて4連敗、借金は今季ワーストの23にまで増えた。

 この低迷を受け、立浪和義監督への風当たりも強まっている。現役時代は“ミスター・ドラゴンズ”として絶大な人気を集め、低迷脱却の切り札として招聘された立浪監督だが、就任わずか2年足らずでファンの間での“支持率”は急降下してしまった。

 勝てない指揮官が叩かれるのは世の常だが、立浪監督の場合は度重なる前言撤回や朝令暮改、昭和の野球からアップデートされているとは思えない指導法や戦略、溝脇隼人への異常なまでの執着など、批判の矛先が多岐にわたる。いずれにせよ、指揮官としての経験不足を露呈していることでは、多くの人の意見が一致するだろう。

 現時点の勝率は.384(38勝61敗2分)で、これは1968年と95年の.385を下回り、戦後球団ワースト記録。このままでは「ドラゴンズ史上最悪の指揮官」という汚名を着ることになってしまうかもしれない。

 ただ、立浪監督を解任すればチームが上昇気流に乗るかといえば、そんなことはないだろう。2013年からの10年間で勝ち越し1回のみと低迷が続くドラゴンズの病巣は、もっと根が深いからだ。
 最大の問題は、チームの再建・強化について球団がイニシアチブを持っていないことにある。すべてを監督にほぼ丸投げしながら、2~3年周期で交代させるという状態がずっと続いている。昨年のドラフトでは、立浪監督が直接視察して惚れ込んだ村松開人(明治大)を2位で指名。それ自体が間違いとまでは言えないが、本来ドラフトは長期的な構想に基づいて指名選手を選ぶべきで、5年後に指揮を執っている可能性が極めて低い監督の介入はあまり好ましいことではない。

 また、最近のトレードを見ても、ほとんどが獲得選手が放出選手より年上で、これも将来より目先の勝利を優先しているように映る。現場が勝ちたいと願うのは当然だが、その思いに押し切られて長期的な視野を失う事態になっていないか。そもそも、長期低迷が続くチームに、コーチとしての指導歴すらほとんどない人物を監督として起用すること自体、果たして正しかったのか。

 二軍の状況もひどい。昨季も34勝64敗でウエスタン・リーグぶっちぎりの最下位だったが、今季は22勝52敗で勝率.297とそれをさらに下回るペース。しかも、体調不良者が続出して試合が中止になるなど、チームとしての体を成していない。長年の懸案になっているバンテリンドームのホームランテラス設置も含め、球団のバックアップ態勢に問題があるのは確かだろう。
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