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プロ野球

近藤大亮、黒木優太が抜けたオリックス救援陣で高まる新外国人マチャドへの期待。さらなる補強も?【オリ熱コラム2023】

どら増田

2023.11.30

平均155.5キロの4シームと2シーム系のシンカー、そしてチェンジアップを操るマチャド。メジャーでの実績も十分だ。(C)Getty Images

平均155.5キロの4シームと2シーム系のシンカー、そしてチェンジアップを操るマチャド。メジャーでの実績も十分だ。(C)Getty Images

 オリックスのパ・リーグ三連覇中を支えてきたのは、鉄壁のリリーフ陣と言っても過言ではないだろう。中嶋聡監督も、就任してからの3年間、「頑張ってくれている」「負担をかけている」「楽にさせてあげたい」と労いの言葉をかけ続けている。

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 そんな中、今年のオフに動きがあった。まず中継ぎとして起用していた吉田凌が戦力外となり、ロッテと育成契約。ブルペン陣のアニキ的な存在だった近藤大亮が巨人へ金銭トレード。また、近藤と同じく一時はセットアッパーとして活躍した黒木優太も、吉田輝星とのトレードで日本ハムに移籍した。

 山本由伸、山崎福也という今年の勝ち頭二枚の流出で先発の駒が不足しており、高知で行われた秋季キャンプでは、今季中継ぎで活躍した小木田敦也を先発に転向させるプランが明らかになっている。起用法に関しては、来年の春季キャンプが始まるまで流動的な部分も多分に含まれているが、2024年シーズンも阿部翔太、宇田川優希、山崎颯一郎、平野佳寿がブルペンの中心となることに変わりはないだろう。

 そこに加わってくることが予想されるのが、11月16日に獲得が発表されたメジャーリーガーのアンドレス・マチャドだ。来年4月で31歳となるベネズエラ出身の右腕は最速160キロを誇り、ここ3年続けてメジャーで40試合以上に登板。マイナー時代はクローザーも務めている。

 今季も、平野佳がベンチから外れた日に阿部や山崎颯がクローザーを務めることがあったが、やや安定感に欠ける場面も見られた。それだけに、マチャドが抑えとしても機能してくれれば、チームにとっては非常に大きい。
 ただ、メジャーからやってきた160キロ右腕といえば、16年に来日したエリック・コーディエを思い出すファンも多いのではないだろうか。クローザーとしてオープン戦無失点の好投で開幕を迎えたコーディエだったが、開幕戦で西武にいきなりサヨナラ負けを喫してしまい、その後も調子が上回ることがないままシーズン中に帰国したという苦い過去がある。マチャドも、実際に日本に来てみないと適性が分からないのが難しいところだ。

 そんなオリックスだが、シーズン終了後にはロッテのペルドモと、ソフトバンクのオスナを調査中という情報が関係者から流れてきた。その後、オスナは残留を決めたが、ペルドモはまだ去就未定。来日1年目の今季は53試合に登板して防御率2.13、41ホールドをマークしており、獲得に成功となれば山岡泰輔を再び先発に戻すなど、複数の選択肢が生まれることになる。

 野手の方では、広島からFAで西川龍馬を獲得。投手陣でもさらなる補強が進むようなことになれば、阪急ブレーブス時代も含め球団史上初の4連覇も見えてくる。今後の動きを注視していきたい。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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