FIBAとNBAが協力し、ハイスクール世代の将来有望なプレーヤーを集めて行なわれる毎年恒例のバスケットボール・ウィズアウトボーダーズのヨーロッパ大会が、8月12日から15日にイングランドのマンチェスターで開催された。

　イングランドで同大会が行なわれるのは今回が初めて。かつて同国のリーグでヘッドコーチを務め、年間最優秀コーチ賞受賞の経歴を持つニック・ナース（フィラデルフィア・セブンティシクサーズ）や、欧州からNBA入りした現役プレーヤーのイビツァ・ズバッツ（ロサンゼルス・クリッパーズ／クロアチア）、５度のNBA優勝を誇るレジェンド、デレック・フィッシャー（ロサンゼルス・レイカーズほか）ら新旧スターも参加した。

　同じくスペシャルコーチとして招かれていたタイソン・チャンドラー（元ダラス・マーベリックスほか）は、欧州のバスケメディア『EUROHOOPS』にキャンプの重要性について次のように語った。

「このようなキャンプは、自分の持っているスキルを磨けるのはもちろん、短期間に多くの課題や気づきを与えられることで、非常に多くのことを学ぶことができる。ここで自信を積み上げることで、自分がプレーしている場所に戻った時、以前とは違うプレーヤーになっているはずだ」
  　昨季初の頂点に立ったアイザイア・ハーテンスタイン（オクラホマシティ・サンダー）もバスケットボール・ウィズアウトボーダーズ・ヨーロッパの2015年大会の参加者の１人だ。数年後には、今年マンチェスターで貴重な体験をした中の誰かが、NBAデビューを飾っているかもしれない。

　12年のロンドン五輪に優勝したチームUSAのメンバーであるチャンドラーはまた、アメリカ以外の世界各地から参入してくるプレーヤーが、この競技自体を発展させるために役立つ存在になっていると力説。

「国際的なバスケットボールはどんどん成長していて、世界中から多くの選手たちがこのリーグ（NBA）に入ってきている。そうした風潮の中で、バスケットボールという競技そのものが進化している。

　以前のNBAでは、リーグのトップ10～15選手はアメリカ人だったが、現在は世界各国の選手たちが大勢名を連ねている。それは、この競技を発展させていく上で素晴らしいことだよ。（ニコラ）ヨキッチはこれまで我々が見たことのなかったプレーをするし、（ルカ）ドンチッチもそう。彼らは、アメリカ出身の選手たちに刺激を与える存在になっている」