近年のNBAではプレーヤーの疲労軽減、そしてケガのリスクを抑えるために“ロード・マネジメント”を行なうチームが増えている。連戦などの際に意図的に選手を休ませるわけだが、興行的な部分でスーパースターが欠場することにリーグ側が難色を示すなど、その是非が再三にわたって議論されている。
先日、“神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が「ロード・マネジメントは本来必要ない」と発言して反響を呼んだ。
ジョーダンは今年5月に『NBC』の“スペシャル・コントリビューター”に就任。レギュラー解説者といった役割とは異なるものの、これまで以上に深くNBAに関わっていくことになった。
『NBC』のシリーズ番組『MJ:Insights to Excellence』の第2弾では、ジョーダンがロード・マネジメントについて持論を展開した。
「自分は1試合たりとも休みたくないと思っていた。なぜなら、自身を証明するチャンスだからだ。それに観客は自分のプレーを見に来てくれていることを常に意識していた。スタンドの一番上の方に座っているあの人は、懸命に働いてチケット代を工面してくれたのかもしれない。だからそうした人たちを喜ばせたかったんだ」
ジョーダンは現役時代、キャリア15シーズンのうち、40歳だった現役最終年を含む9シーズンでレギュラーシーズンの全82試合に出場。滅多なことでは試合を休まない“鉄人”ぶりで知られた。
NBAでは2023年に新たな規定を発表。スター選手を意図的に休ませることに制限を設け、違反したチームに罰金を科すことを定めている。また、シーズンMVPやオールNBAチームといったアウォードを受賞するには65試合以上に出場しなければならない条件も設定された。
ジョーダンは、選手自身が試合に向けてコンディションをいかに調整するか、それこそがロード・マネジメントの本質だと説いた。
「バスケットボールをプレーするのは1日2時間半から3時間。それがNBA選手の仕事であり、そのために給料をもらっている。じゃあ残りの21時間は何をするのか。その時間こそ、翌日の試合や次のチャレンジのために準備するべき時間なんだ。自分はその点ではロールモデルになれる存在ではなかったけれどね(苦笑)」
2001~12年にNBAでプレーしたギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』でジョーダンの発言に関して意見を求められると、「彼は選手サイドからの意見を言っている」と語った。
「彼らの時代にはロード・マネジメントはなかった。長期契約を結ぶ選手を守る方法がなかったんだ」
そしてアリナスは「選手」と、“雇用主”でもある「オーナー」の双方からの見解を述べた。
「では、オーナーならばロード・マネジメントをどう考えるかという話だ。負傷歴のあるロンゾ・ボール(クリーブランド・キャバリアーズ)に関しては、ロード・マネジメントをしようと思うだろう。
どう健康を保つかだが、選手だけではどうしようもないこともある。ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)はロード・マネジメントを望まず、不平を言った。罰金が科されるルールもあるが、選手は自分の立場を失いたくないから、プレーできるならコートに立つのは当然だ」
双方の条件を満たすのは難しいが、ファンとしてはトッププレーヤーの最高のプレーを常に見ておきたいと思うのは当然だろう。
構成●ダンクシュート編集部
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ジョーダンは今年5月に『NBC』の“スペシャル・コントリビューター”に就任。レギュラー解説者といった役割とは異なるものの、これまで以上に深くNBAに関わっていくことになった。
『NBC』のシリーズ番組『MJ:Insights to Excellence』の第2弾では、ジョーダンがロード・マネジメントについて持論を展開した。
「自分は1試合たりとも休みたくないと思っていた。なぜなら、自身を証明するチャンスだからだ。それに観客は自分のプレーを見に来てくれていることを常に意識していた。スタンドの一番上の方に座っているあの人は、懸命に働いてチケット代を工面してくれたのかもしれない。だからそうした人たちを喜ばせたかったんだ」
ジョーダンは現役時代、キャリア15シーズンのうち、40歳だった現役最終年を含む9シーズンでレギュラーシーズンの全82試合に出場。滅多なことでは試合を休まない“鉄人”ぶりで知られた。
NBAでは2023年に新たな規定を発表。スター選手を意図的に休ませることに制限を設け、違反したチームに罰金を科すことを定めている。また、シーズンMVPやオールNBAチームといったアウォードを受賞するには65試合以上に出場しなければならない条件も設定された。
ジョーダンは、選手自身が試合に向けてコンディションをいかに調整するか、それこそがロード・マネジメントの本質だと説いた。
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2001~12年にNBAでプレーしたギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』でジョーダンの発言に関して意見を求められると、「彼は選手サイドからの意見を言っている」と語った。
「彼らの時代にはロード・マネジメントはなかった。長期契約を結ぶ選手を守る方法がなかったんだ」
そしてアリナスは「選手」と、“雇用主”でもある「オーナー」の双方からの見解を述べた。
「では、オーナーならばロード・マネジメントをどう考えるかという話だ。負傷歴のあるロンゾ・ボール(クリーブランド・キャバリアーズ)に関しては、ロード・マネジメントをしようと思うだろう。
どう健康を保つかだが、選手だけではどうしようもないこともある。ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)はロード・マネジメントを望まず、不平を言った。罰金が科されるルールもあるが、選手は自分の立場を失いたくないから、プレーできるならコートに立つのは当然だ」
双方の条件を満たすのは難しいが、ファンとしてはトッププレーヤーの最高のプレーを常に見ておきたいと思うのは当然だろう。
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