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NBA

「オープンショットを決められることが最も重要」元レイカーズの司令塔が現代のPGに言及「今は3ポイントを10本も15本も打てる」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.12.11

得点力の高い司令塔だったヴァン・エクセルは、1990年代~2000年代にレイカーズやマブズなどで活躍した。(C)Getty Images

得点力の高い司令塔だったヴァン・エクセルは、1990年代~2000年代にレイカーズやマブズなどで活躍した。(C)Getty Images

 1990年代のNBAにはアキーム・オラジュワン、パトリック・ユーイング、デイビッド・ロビンソン、アロンゾ・モーニング、シャキール・オニール(シャック)など優秀なビッグマンが揃っていた。

 当時はハンドチェックが禁止されていなかったこともあり(2004-05シーズンから廃止)、フィジカルコンタクトが多く、100点以下の試合は珍しくなかった。ほとんどのチームはビッグマンを中心にロスターを構築し、その他の選手、とりわけポイントガード(PG)は、“引き立て役”の印象が強かった。

 そんななか、1993年から2006年までNBAでプレーし、思い切りの良い3ポイントやトリッキーなパスやドリブルで人気を集め、クラッチシューターとしても鳴らしたニック・ヴァン・エクセルは異色の存在だった。

 185㎝・86㎏の司令塔は、93年のドラフト2巡目37位でロサンゼルス・レイカーズにに入団。初年度から平均13.6点、5.8アシスト、リーグ10位の123本の3ポイントを決めてオールルーキー2ndチームに選出されると、翌年には平均16.9点、8.3アシスト、同7位の183本の長距離砲をヒット。96年のシャック加入後も1試合平均2本前後の3ポイントを決め続け、98年にはオールスター出場を果たしたが、PGとしてはボールの所有時間が長く、シュートを多用するスタイルは賛否両論だった。

 レイカーズ退団後はデンバー・ナゲッツ、ダラス・マーベリックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、サンアントニオ・スパーズでプレーし、13年間で平均14.4点、6.6アシスト、3ポイント成功率35.7%(平均1.7本成功)を記録。06年の引退後は指導者に転向し、16~19年はメンフィス・グリズリーズ、21~23年にはアトランタ・ホークスでアシスタントコーチを務めた。
 
 元NBA選手のペニー・ハーダウェイ(現メンフィス大HC)がホストを務めるポッドキャスト『Two Cents Penny Hardaway』に出演したヴァン・エクセルは、現代のNBAに求められるPG像やスタイルに言及した。

「今の時代、まずはシュートが打てること。オープンショットを決められることが最も重要だ。俺たちがプレーしていた時とは違って、ビッグマンにボールを渡す必要があまりなくなったからね。でも、試合をコントロールする能力は依然として重要だと思う」

 選手、コーチとして長年リーグに携わってきた元オールスターは、90~00年代とは異なり、現代のバスケはポゼッションをあまり重要視していないと語る。

「今の時代にコーチをしていると、選手がひどいシュートを打っても彼らは『まだ第2クォーターだし、大丈夫だろう』なんて考えている。俺はすべてのポゼッションが重要だと思うが、今の選手たちはそう考えない。なぜなら、ポゼッションの数が多すぎるし、スリーも大量に打つから、1つひとつのポゼッションを俺たちの時ほど重要だとは思っていないんだ」
 
 なお、ヴァン・エクセルは、コーチとして選手たちに現役時代の話をしたことはなかったという。

「コーチをしている時、自分のプレーについて(選手に)話したことは一度もなかった。彼らはそんな話なんて聞きたがらないからね。でも心の中ではこう思っていたよ。『今の時代にプレーしてたら、自由があるから、3ポイントを10本も15本も打てるし、誰も気にしない』ってね」

 現代においてステフィン・カリーやデイミアン・リラードなど、平均20点以上をあげるPGは珍しくない。左利きのスコアリングガードは時代を先取りしていたのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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