私は、今年73歳。スポーツライター歴は約半世紀に及ぶ。だが、野球に関しては小学生の時に草野球をやっただけで、はっきり言って素人だ。しかし、別に素人であることを卑下することもなく、素人なりに努力をしてきた。
その努力とは、2種類のことしかない。一つは野球関係の本を読むこと。もう一つは、プロの選手に取材すること。つまり、質問をして話を聞くこと。それだけだ。
スポーツ関係の本は、誰よりも多く読んだと自負している。はっきり言って、読書は質より量の勝負だ。多くの本を読まなければ、良質の本とも出会えない。だから若い時は一日一冊読破を目指し、それは無理にしても週に3冊くらいは読みまくった。
取材は、自分が疑問に思っていることを、素直に単純な言葉で質問するように心掛けた。たとえば……。
「ピッチャーがバッターを抑えるには、どうすればいいか?」
あまりにも単純な質問なので、ピッチャーや投手コーチの中には、「そんなことはケースバイケース。いろいろありすぎて、一言で答えられるわけはないだろ」と、インタビュアーの私を馬鹿にしたり、無視したり、ムッとした顔で何も答えない人もいた。だが、必ずしもそういう人ばかりではない。
「ピッチャーがバッターを抑える方法は、基本的に2種類だけ。内角球で詰まらせるか、外角球で泳がせるか。高めの球で打ち取るか、低めの球を空振りさせるか。それだけだよ」
これは杉下茂さんの言葉だ。現役時代は、"フォークボールの元祖"として、中日のエースとして大活躍。通算215勝を挙げた大投手の言葉だけあって単純にして明解。分かりやすい言葉こそ"真理"と言える表現だと思った。
通算276勝の西鉄ライオンズの大エース稲尾和久さんにも、「投手がコントロールを身に付けるには、どうすれば良いのですか?」と訊いたこともある。
彼の答えも明解だった。「どんな球種、どんなコースに投げる時も、常に同じフォームで投げること。それだけです」
その努力とは、2種類のことしかない。一つは野球関係の本を読むこと。もう一つは、プロの選手に取材すること。つまり、質問をして話を聞くこと。それだけだ。
スポーツ関係の本は、誰よりも多く読んだと自負している。はっきり言って、読書は質より量の勝負だ。多くの本を読まなければ、良質の本とも出会えない。だから若い時は一日一冊読破を目指し、それは無理にしても週に3冊くらいは読みまくった。
取材は、自分が疑問に思っていることを、素直に単純な言葉で質問するように心掛けた。たとえば……。
「ピッチャーがバッターを抑えるには、どうすればいいか?」
あまりにも単純な質問なので、ピッチャーや投手コーチの中には、「そんなことはケースバイケース。いろいろありすぎて、一言で答えられるわけはないだろ」と、インタビュアーの私を馬鹿にしたり、無視したり、ムッとした顔で何も答えない人もいた。だが、必ずしもそういう人ばかりではない。
「ピッチャーがバッターを抑える方法は、基本的に2種類だけ。内角球で詰まらせるか、外角球で泳がせるか。高めの球で打ち取るか、低めの球を空振りさせるか。それだけだよ」
これは杉下茂さんの言葉だ。現役時代は、"フォークボールの元祖"として、中日のエースとして大活躍。通算215勝を挙げた大投手の言葉だけあって単純にして明解。分かりやすい言葉こそ"真理"と言える表現だと思った。
通算276勝の西鉄ライオンズの大エース稲尾和久さんにも、「投手がコントロールを身に付けるには、どうすれば良いのですか?」と訊いたこともある。
彼の答えも明解だった。「どんな球種、どんなコースに投げる時も、常に同じフォームで投げること。それだけです」
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