10月1日(現地)から、いよいよポストシーズンが始まる。ドジャースは2年連続ワールドシリーズ優勝を目指して10月の舞台に臨むが、世界一の本命に挙げる声はあまり聞かれない。最後の20試合で15勝と調子を上げてきたとはいえ、ブルペンは相変わらず不安定。プレーオフのシード順位は3番手で、ワイルドカード・シリーズからスタートとあっては、そのように見られるのも仕方ない。
けれども、ポストシーズンでは何が起こるか分からない。ギリギリでプレーオフにたどり着いたチームが、ふとしたきっかけで勢いに乗って最後まで駆け上がる――ということもしばしばある。
何を隠そう、MLBで最後にワールドシリーズ連覇を果たした2000年のヤンキースがまさにその典型だった。
1998~99年に2年続けてワールドシリーズを制し、2000年も本命視されていたヤンキースは、6月までは勝率5割前後だったが夏場に抜け出し、9月13日時点では地区2位レッドソックスに9ゲーム差をつける余裕の展開だった。
ところが17日から6連敗、さらに25日から閉幕までも7連敗を喫し、最終18試合では3勝15敗。うち7試合は2ケタ点差をつけられた。何とか29日に地区優勝を決めたものの、プレーオフ出場チームがこれほど酷い状態でレギュラーシーズンを終えた例は、過去になかった。年間871得点はリーグ6位、防御率4.76も同じく6位。87勝はアメリカン・リーグのプレーオフ進出4球団で最少、ワイルドカードを逃した中地区2位のインディアンスよりも低いほどだった。 どうしてこうなってしまったのか? チームリーダーのデレク・ジーターは「9月に入る頃には、さっさとプレーオフになってほしいと僕らは思っていた」と、心あらずの状態で終盤を戦っていたと告白している。中継ぎ投手マイク・スタントンの発言も「それまでのように、闘争心旺盛で試合には臨んでいなかった」と似たようなもの。勝ち慣れたチームならではの油断が思わぬ苦境を招いたのだった。
地区シリーズでも苦戦は続いた。対戦相手のアスレティックスは、9月に21勝とヤンキースとは対照的に絶好調でプレーオフに突入。初戦はエースのロジャー・クレメンスを立てるも6回4失点で逆転負けを食らい、続く2試合は連勝したが、第4戦もクレメンスが5回6失点と打ち込まれて1対11で大敗した。初回に6点を先制した第5戦も、この年19勝のアンディ・ペティットが4回途中KO。7対5で辛勝し、どうにかリーグ優勝決定シリーズに駒を進めたものの、投手陣の崩壊状態は改善されておらず、見通しが明るいようには思えなかった。
だが、マリナーズとのリーグ優勝決定シリーズは、初戦こそ完封負けしたものの、第4戦まで4試合連続2失点以下と投手陣が立ち直った。第5戦に敗れ、第6戦も4点を先制されたが、今度は打線が奮起する。3点を返して1点差で迎えた7回裏、デビッド・ジャスティスの3ランで逆転。ブライアン・キャッシュマンGMが「あれほどヤンキー・スタジアムが大騒ぎになったのを見たことがなかった」と振り返った一撃などで一挙6点を奪い、8回途中からはマリアーノ・リベラが締めて、ア・リーグでは26年ぶりの3連覇を達成した。
けれども、ポストシーズンでは何が起こるか分からない。ギリギリでプレーオフにたどり着いたチームが、ふとしたきっかけで勢いに乗って最後まで駆け上がる――ということもしばしばある。
何を隠そう、MLBで最後にワールドシリーズ連覇を果たした2000年のヤンキースがまさにその典型だった。
1998~99年に2年続けてワールドシリーズを制し、2000年も本命視されていたヤンキースは、6月までは勝率5割前後だったが夏場に抜け出し、9月13日時点では地区2位レッドソックスに9ゲーム差をつける余裕の展開だった。
ところが17日から6連敗、さらに25日から閉幕までも7連敗を喫し、最終18試合では3勝15敗。うち7試合は2ケタ点差をつけられた。何とか29日に地区優勝を決めたものの、プレーオフ出場チームがこれほど酷い状態でレギュラーシーズンを終えた例は、過去になかった。年間871得点はリーグ6位、防御率4.76も同じく6位。87勝はアメリカン・リーグのプレーオフ進出4球団で最少、ワイルドカードを逃した中地区2位のインディアンスよりも低いほどだった。 どうしてこうなってしまったのか? チームリーダーのデレク・ジーターは「9月に入る頃には、さっさとプレーオフになってほしいと僕らは思っていた」と、心あらずの状態で終盤を戦っていたと告白している。中継ぎ投手マイク・スタントンの発言も「それまでのように、闘争心旺盛で試合には臨んでいなかった」と似たようなもの。勝ち慣れたチームならではの油断が思わぬ苦境を招いたのだった。
地区シリーズでも苦戦は続いた。対戦相手のアスレティックスは、9月に21勝とヤンキースとは対照的に絶好調でプレーオフに突入。初戦はエースのロジャー・クレメンスを立てるも6回4失点で逆転負けを食らい、続く2試合は連勝したが、第4戦もクレメンスが5回6失点と打ち込まれて1対11で大敗した。初回に6点を先制した第5戦も、この年19勝のアンディ・ペティットが4回途中KO。7対5で辛勝し、どうにかリーグ優勝決定シリーズに駒を進めたものの、投手陣の崩壊状態は改善されておらず、見通しが明るいようには思えなかった。
だが、マリナーズとのリーグ優勝決定シリーズは、初戦こそ完封負けしたものの、第4戦まで4試合連続2失点以下と投手陣が立ち直った。第5戦に敗れ、第6戦も4点を先制されたが、今度は打線が奮起する。3点を返して1点差で迎えた7回裏、デビッド・ジャスティスの3ランで逆転。ブライアン・キャッシュマンGMが「あれほどヤンキー・スタジアムが大騒ぎになったのを見たことがなかった」と振り返った一撃などで一挙6点を奪い、8回途中からはマリアーノ・リベラが締めて、ア・リーグでは26年ぶりの3連覇を達成した。