10月23日にドラフト会議が行われる。各チームの育成状況や補強ポイントを踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。リーグ2連覇を果たしたソフトバンクはどのような戦略で臨むべきだろうか。
【基本方針】
即戦力重視
【補強ポイント】
●既存の若手と切磋琢磨できる即戦力投手
●投手陣全体の底上げ
●高齢化が顕著な遊撃手の補充
【理想の指名】
1位:櫻井頼之介 (投手/東北福祉大)
2位:稲川竜汰 (投手/九州共立大)
5位:相羽寛太 (遊撃手/ヤマハ)
リーグ連覇に成功したソフトバンクは、チーム防御率2.39、 OPS.695はともに1位と投打ともに戦力は充実している。今年の成績だけを見ると補強ポイントを探すのは難しいが、実は主力の多くが30代に入っている点は懸念材料と言える。
世代交代を意識する段階であるにもかかわらず、近年ドラフトで獲得した選手で将来を担えるだけの成長をみせた選手はほとんどいない。2023年1位の前田悠伍や、22年1位のイヒネ・イツアが台頭する未来を意識し、彼らと切磋琢磨する選手を獲得したい。既存戦力を刺激しつつ3連覇を目指す意味でも、即戦力寄りのドラフトを行う必要があると考える。
そこで、1位には櫻井頼之介 (東北福祉大) を推したい。150キロ前後のストレートを軸にスライダー、スプリット、カーブすべての質が高く、空振りを奪える。配球の組み立てもバランスが良く、6月の全日本大学野球選手権ではMVPを受賞した。まだまだ細身だが、裏を返せばまだまだ球威の向上が見込めるということでもある。即戦力性と伸びしろを兼ね備える投手として、1位指名にはふさわしい。
2位では稲川竜汰 (九州共立大) を指名し、投手陣に厚みを持たせたい。稲川も150キロ前後のストレートを投じつつ、鋭く横滑りするスライダーと、空振りをとるのに有効なスプリッターを持つ。また、コントロールにも非凡で打者を翻弄し、スタミナも十分。櫻井ともに早期に戦力になってくれれば大きい。
そして、5位で相羽寛太 (ヤマハ) を指名して内野の層を厚くしたい。今季、遊撃手で250イニング以上をこなしたのは野村勇(28歳)、今宮健太(34歳)、川瀬晃(28歳)。特に高齢化が顕著なポジションであり、いずれも守備範囲が狭くなりつつある。
それだけに、守備力に定評のある相羽は是非とも欲しい。遊撃だけでなく内野はどこでもそつなくこなし、パワーも十分。今年は課題だった脚力も向上している。1年目からレギュラーに起用されても貢献できる選手と言えるだろう。
文●ARA
【著者プロフィール】
雑誌『野球太郎』のモックドラフト立案者であり、同誌で連載「過少と過大の交差点」をはじめ多くの記事を執筆。2020年からはベースボールキングのドラフト速報ライブにてゲスト解説を務める。主に打撃を得意分野とし、中学生を中心とした野球指導にも携わる。ツイッターIDは@arai_san_28。
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即戦力重視
【補強ポイント】
●既存の若手と切磋琢磨できる即戦力投手
●投手陣全体の底上げ
●高齢化が顕著な遊撃手の補充
【理想の指名】
1位:櫻井頼之介 (投手/東北福祉大)
2位:稲川竜汰 (投手/九州共立大)
5位:相羽寛太 (遊撃手/ヤマハ)
リーグ連覇に成功したソフトバンクは、チーム防御率2.39、 OPS.695はともに1位と投打ともに戦力は充実している。今年の成績だけを見ると補強ポイントを探すのは難しいが、実は主力の多くが30代に入っている点は懸念材料と言える。
世代交代を意識する段階であるにもかかわらず、近年ドラフトで獲得した選手で将来を担えるだけの成長をみせた選手はほとんどいない。2023年1位の前田悠伍や、22年1位のイヒネ・イツアが台頭する未来を意識し、彼らと切磋琢磨する選手を獲得したい。既存戦力を刺激しつつ3連覇を目指す意味でも、即戦力寄りのドラフトを行う必要があると考える。
そこで、1位には櫻井頼之介 (東北福祉大) を推したい。150キロ前後のストレートを軸にスライダー、スプリット、カーブすべての質が高く、空振りを奪える。配球の組み立てもバランスが良く、6月の全日本大学野球選手権ではMVPを受賞した。まだまだ細身だが、裏を返せばまだまだ球威の向上が見込めるということでもある。即戦力性と伸びしろを兼ね備える投手として、1位指名にはふさわしい。
2位では稲川竜汰 (九州共立大) を指名し、投手陣に厚みを持たせたい。稲川も150キロ前後のストレートを投じつつ、鋭く横滑りするスライダーと、空振りをとるのに有効なスプリッターを持つ。また、コントロールにも非凡で打者を翻弄し、スタミナも十分。櫻井ともに早期に戦力になってくれれば大きい。
そして、5位で相羽寛太 (ヤマハ) を指名して内野の層を厚くしたい。今季、遊撃手で250イニング以上をこなしたのは野村勇(28歳)、今宮健太(34歳)、川瀬晃(28歳)。特に高齢化が顕著なポジションであり、いずれも守備範囲が狭くなりつつある。
それだけに、守備力に定評のある相羽は是非とも欲しい。遊撃だけでなく内野はどこでもそつなくこなし、パワーも十分。今年は課題だった脚力も向上している。1年目からレギュラーに起用されても貢献できる選手と言えるだろう。
文●ARA
【著者プロフィール】
雑誌『野球太郎』のモックドラフト立案者であり、同誌で連載「過少と過大の交差点」をはじめ多くの記事を執筆。2020年からはベースボールキングのドラフト速報ライブにてゲスト解説を務める。主に打撃を得意分野とし、中学生を中心とした野球指導にも携わる。ツイッターIDは@arai_san_28。
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