プロ野球

8度目の手術を乗り越え、再び一軍のマウンドへ。ロッテの内竜也が踏み出した一歩

岩国誠

2020.02.27

22日に行われた琉球ブルーオーシャンズとの練習試合で、内が約1年半ぶりの実戦登板を果たした。写真:岩国誠

 佐々木朗希の一軍帯同で落ち着きを取り戻した石垣島・ロッテ2軍キャンプ。22日に行われた琉球ブルーオーシャンズとの練習試合のマウンドには、2018年10月13日以来、約1年半ぶりの実戦登板を果たした内竜也の姿があった。

 2018年には自身最多の58試合に登板。リーグ3位の26セーブを挙げるなど、クローザーとして好成績を残した。しかし、そのオフに右肘関節鏡視下遊離体除去手術を受けると、そこからのリハビリ生活は、当初の予定を大きく超え、苦難の日々を過ごすこととなった。

「清水直行さん率いる琉球ブルーオーシャンズとの試合。約1年半ぶりに実戦登板でした!ここまですごく長かった。。。正直今までで一番辛かったけど、なんとか実戦復帰までこれました!ここからもっと状態を上げて、一軍に行けるように頑張ります!!」
 
 試合を終えて、復帰を待ち望んだファンに向け、自身のSNSに綴った。

「今はそれくらいしか、お伝えすることはできないです。今日はあくまで復帰するための段階で、こういう試合に投げましたというだけなので。(手応えなどを)まだまだお話しできるような段階ではないです」

 1年半ぶりの実戦への問いかけに、多くを語ることはなかった内だが、否定的な反応ではなく、その表情は和らいだ笑顔であった。

 笑顔の意味を解読してくれたのは、復帰へ向け、ファームでの調整過程を見守り続けた小野晋吾2軍投手コーチだ。

「とりあえず彼の中では、対バッターに投げられたということで、ひとつ安堵感があったんじゃなかな。去年は全く投げられない状態でしたが、秋くらいからブルペン入りするようになっていました。本人の中ではまだまだ物足りない部分があったと思いますが、このオフにも自分なりにしっかりやってきて、打撃投手から試合で投げられるところまで持って来られたというのはあると思います」

 1年半ぶりの実戦は打者4人に対し、変化球を交えての15球。結果は1四球1三振無失点だったが、直球、変化球とも高めに浮くボールが多く見られた。本来、内が持っている能力を考えれば、彼自身がいうように現時点で、投球内容について話せることはないのだろう。