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プロ野球

クローザーにとって「一番大事」なものは…松井裕樹が“パパ“になる5か月前に明かした“家族“への感謝

2020.05.05

日本を代表する左腕が昨オフに明かした家族への想いとは。写真:徳原隆元

日本を代表する左腕が昨オフに明かした家族への想いとは。写真:徳原隆元

 楽天球団とホリプロが5日、楽天の松井裕樹と女優・石橋杏奈夫妻に第1子となる女児が誕生したことを発表した。

 この喜ばしい報告から約5ヵ月前、小雨降りしきる仙台にて、私は松井本人に話を聞く機会があった。年俸1億4000万円増の2億5000万円プラス出来高、4年の延長契約を発表した契約更改直後のことである。

 会見で松井は、先発転向を発表。その年、38セーブを挙げてセーブ王獲得、史上最年少で100セーブも到達した左腕の決断に、ファンもメディアも驚いたのは記憶に新しい。そして突然の発表に、私もあたふたした。先発転向の話を聞かねばと、予定していた質問も一部変更しなければならなかったのだ。しかし、この“アドリブ”が偶然にも、松井から家族への想いを聞き出すトリガーとなった。
 
 2019シーズン、松井は68試合で防御率1.94、奪三振率13.82、左腕ではパ・リーグ最多の38セーブを記録した。飛躍を遂げた要因は第一に聞きたかったことだ。事前の調べで、フォーム改良により制球が安定し、平均球速も3キロ近く上昇。代名詞スライダーの投球割合も約10%増えていることは分かった。制球、スピード、変化球。本人はどんな取り組みを行い、考えているのか。そこに来て先発転向の話もある。全部を聞くのは時間的に難しい。

 今にして思えば無茶苦茶だが、この解決案として、すべてを一つの質問にしてぶつけてみた。「昨年のデータを見ると球速が上昇し、スライダーの投球割合が増加。また、フォームにも改良を加えたというニュースも見ました……」といった具合に。

 松井もやや戸惑っていたように思う。ただ、彼は「考えて発言ができる」選手だ。すすこし間をおき、飛躍の要因をこう述べた。

「一つ挙げるとしたら、やっぱり家族ですかね」
 
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