大学野球

1試合20奪三振、サイクルヒット、通算420奪三振――「戦国東都」に足跡を残した現役選手たち

大友良行

2020.05.17

"戦国東都"に足跡を残した選手たち。左から東浜、松田、上茶谷。写真:大友良行

「戦国東都」で活躍するのは、簡単ではない。

 1936年設立された東都大学野球連盟は、84年の歴史を持ち、傘下21校が6校ずつ4部に分かれて闘うリーグ戦。毎シーズン終了時に、1部最下位と2部1位が入れ替え戦を行う(以下、同様に、2部と3部、3部と4部が入れ替え戦)。それだけに油断するとアッという間に2部、3部へと転落してしまう弱肉強食の世界だ。選手たちのレベルも高い。素材を求めるプロのスカウトたちも、プレーの一つひとつに真剣な眼差しを向ける。 

 その東都大学リーグ戦が、新型コロナウイルスの感染防止のため、春季リーグ戦の『中止』を決めた。 

「野球」が見られないのは寂し過ぎるが、ここではファンの皆さんの気分転換に役立てばと思い、現在のプロ野球で活躍している「東都大学出身選手」の『リーグ戦記録(連盟HPから)』を調べてみた。 
 
●リーグ通算本塁打15本(歴代5位タイ)
松田宣浩(ソフトバンク)
1983年生まれ。滋賀県出身。右投右打。
中京高(岐阜)-亜細亜大-ソフトバンク

 高校から長打力があり、通算51本塁打。高2夏に双子の弟(トヨタ自動車)とともに甲子園出場を果たしたが、延長にもつれ込んだ那覇高戦で、自らの悪送球により1対2の初戦敗退を喫した。 

 亜細亜大では、1年春から4番で3本塁打。その年、第1回世界大学野球選手権に5番打者で出場を果たす。また、2年時に第35回日米野球出場。秋にリーグ6本塁打を放ったものの、3年時に部員の不祥事で半年間の対外試合禁止処分を受け、2部に降格した。4年時は主将となり、入れ替え戦で1部復帰を成し遂げている。 

 1部通算は76試合275打数62安打、41打点、15本塁打(2部時には10試合で4本塁打だが、これは加算されていない)。ベスト9は1回だ。

 2005年ドラフトの大学社会人希望入団枠でソフトバンク入り。フルスイングでファイト溢れるガッツプレーを見せるスタイルは、当時から変わっていない。今も率先垂範でリーダーシップを発揮している。