専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

「笑いを取れて良かった」難病克服への第一歩を踏み出したオリックス西浦颯大【オリ熱コラム特別編】

どら増田

2020.12.20

本来は強肩俊足が魅力の西浦。復帰への道のりは厳しいが、何とかフィールドに戻ってきてほしい。写真:産経新聞社

本来は強肩俊足が魅力の西浦。復帰への道のりは厳しいが、何とかフィールドに戻ってきてほしい。写真:産経新聞社

「診断を受けた後、地元に帰省してたんですけど、僕が不安な顔をしてたらみんな暗くなると思って何ともない顔してました(笑)」

 厚生労働省の特定疾患に指定されている両側突発性大腿骨頭壊死症と診断されたオリックスの西浦颯大(はやと)は、契約更改までの期間を利用して、故郷の熊本に帰省していた。

 診断後は「できるだけ歩かないようにしてました」という西浦は、やんちゃな一面もある一方で、21歳とは思えない気遣いの持ち主で、先輩や後輩から親しまれやすい性格だ。医師から「復活の可能性は8割以上なく、競技復活した人はいない」とまで言われたにもかかわらず、地元ではいつものように明るく過ごすことを心掛けたというのは、西浦という青年を知る者にとっては「らしさ」を感じるエピソードである。

 高卒3年目の2020年は、春季キャンプを一軍スタート。紅白戦では打撃面で猛アピールするも肩を痛めて離脱。「打撃は良かったのになぁ…」。二軍のロッカーに用具を移動する際、悔しさをにじませていた。
 
 結局、シーズンは49試合に出場して2本塁打を放ったものの、打率は.187。開幕スタメンをつかんだ昨年を越えられず、「思うようにいかず、歯痒いシーズンでした」と振り返っている。

「試合中は力が入らなかった。車から降りるのも一苦労ですよ。僕じゃなかったら野球できていなかったと思います」

 左足に激痛が走ったのは11月3日に一軍に合流した時のことだった。3日、4日と激痛を抱えながらも1安打ずつ放っているが、5日に登録抹消されると、左大腿骨の疲労骨折が判明。その後の検査で両側突発性大腿骨頭壊死症を患っていることも分かった。今月21日に京都市内の病院で行う予定の手術は、自分の骨盤から股関節に移植する方法を採用。片方の脚から手術を行い、3ヵ月後にもう一方の脚を手術する。約6ヵ月の長期入院を強いられ、再び歩けるようになるのは1年後という大掛かりなものだ。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号