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雑草軍団レイズが、世界一最有力候補アストロズの先発三本柱に挑む【MLB地区シリーズ展望】

スラッガー編集部

2019.10.04

バーランダーを中心としたアストロズ先発投手陣は間違いなくMLB最高の陣容。世界一最有力候補に挙げられているのも当然か。(C)Getty Images

●アストロズ強力先発3人の投球を堪能せよ!
 アストロズの先発三本柱(ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コール、ザック・グレインキー)は当代最高というだけでなく、MLBの歴史を振り返っても屈指の実力を誇る。

バーランダー 21勝6敗 防御率2.58 300奪三振 WAR7.8
コール    20勝5敗 防御率2.50 326奪三振 WAR6.8
グレインキー 18勝5敗 防御率2.93 187奪三振 WAR5.5
※WARはBaseball-Reference版。

 バーランダーとコールはア・リーグ投手三冠を独占し、サイ・ヤング賞でも1位、2位に入るのは確実だ。そうなれば、2002年のランディ・ジョンソン、カート・シリング(ダイヤモンドバックス)以来(20勝&300奪三振コンビも彼らに次いで2組目)の快挙となる。
 
 ちなみに、ジョンソンとシリングは01年のワールドシリーズでMVPを分け合っている。今年、バーランダーとコールがその再現を果たしても何ら不思議はない。その最強デュオに、09年のサイ・ヤング賞投手が夏のトレードで加わった。ポストシーズンの先発マッチアップで彼らを上回るチームは存在しない。

 パワーピッチングで押しまくるコールに、抜群のコントロールと投球術で打者を幻惑するグレインキー、力と技を併せ持つバーランダーと個性もそれぞれ。勝敗もさることながら、MLBを代表する3人の好投手のピッチングを心ゆくまで堪能してほしい。
●無名だけど個性派揃い。レイズ救援陣にも注目
 対するレイズはブルペンに注目したい。ビッグネームはいないが、個性あふれる魅力的な投手が揃っている。ニック・アンダーソンは196cmの高台から投げ下ろす速球とカーブの組み合わせで、7月のレイズ移籍後に奪三振率17.30と驚異的な数字をマークした。
 
 チャズ・ローは、スライダーの横変化幅がMLB最大。まるでブーメランのように真横に曲がる。昨年だけで5球団を渡り歩いたジャーニーマンのオリバー・ドレイクは魔球スプリッターで左打者を被打率.147に封じている。10人兄弟の末っ子ディエゴ・カスティーヨは、ぽっちゃり体型から繰り出す平均98マイルの高速シンカーで打者を圧倒する。

 年俸総額MLB最下位(開幕時点)のレイズで花開いたブルペンの雑草軍団。地区シリーズで強力アストロズ打線を相手に快投を続ければ、知名度も上がってくるはずだ。