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プロ野球

「異例づくめ」だった昨季の影響がどんな形で現れるか。投手陣のマネジメントが2021年ペナントレースを左右する〈SLUGGER〉

氏原英明

2021.03.26

昨季の千賀はイニング数こそ多くなかったが、11月下旬まで投げ続けた。この影響が今季の投球にどう影響するだろうか。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

昨季の千賀はイニング数こそ多くなかったが、11月下旬まで投げ続けた。この影響が今季の投球にどう影響するだろうか。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 2021年のプロ野球のペナントレースがいよいよ幕を開ける。

 昨季はイレギュラーのシーズンで、今年も春季キャンプが無観客で開催されるなど不自由なことも多かった。それだけに、制限つきとはいえ、観客を受け入れる「通常営業」の開幕を待ち侘びるファンは多いことだろう。

 ただ、今シーズンも昨年とは違う形で難しい一年になることが想定される。予定ではオリンピックがあるので、7月中旬から約1ヵ月の中断期間が入る。その中で、どうチーム力に厚みを加えていくかがペナントレースのカギになりそうだ。

 意外に忘れがちなのが、イレギュラーだった昨シーズンの影響が今季につながる可能性があることだ。実は、ここが今季を占う上で最大のポイントになるのではないかと思っている。
 2020年シーズンは、公式戦の試合数はいつもより少ない120試合。セ・リーグではクライマックスシリーズが行われず、パ・リーグはファイナルステージのみが開催された。そして、日本シリーズの最終日は11月25日と、前年より1ヵ月も遅かった。

 この事実から、以下の2つのことが言える。
・シーズンが短かった分、疲労度が少ない
・シーズンが終わるのが遅かったため、疲労が抜けきれない選手がいる。

 この影響がどう作用するかを考えてみたい。

 まず1点目から。下記は主な先発投手の19~20年のイニング数の推移だ。

菅野智之(巨人)     +1.0(136.1回→137.1回)
高橋光成(西武)    -3.1(123.2回→120.1回)
山本由伸(オリックス)    -16.1(143.0回→126.2回)
青柳晃洋(阪神)     -22.2(143.1回→120.2回)
美馬学(ロッテ)    -23.2(143.2回→123.0回)
西勇輝(阪神)     -24.2(172.1回→147.2回)
大野雄大(中日)     -29.0(177.2回→148.2回)
二木康太(ロッテ)    -36.0(128.2回→92.2回)
小川泰弘(ヤクルト)    -40.0(159.2回→119.0回)
千賀滉大(ソフトバンク)    -59.0(180.0回→121.0回)

 19年に故障離脱があった菅野以外は軒並みイニング数を減らしている。つまり、シーズンの疲労感が例年より軽減されていることになる。
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