プロ野球

【復活を期す男たち・セ】藤浪は阪神優勝のキーマンとなれるか?キャプテン就任の山田は4度目のトリプルスリーへ

藤原彬

2021.03.26

143試合制に戻る今季、山田(左)は史上初の40本塁打40盗塁に到達できるか? ここ数年くすぶり続けた藤浪(右)もエースに返り咲きを目指す。写真:田中研治(山田)、山手琢也(藤浪)

 いよいよ3月26日からプロ野球ペナントレースが始まる。昨季は不振に終わった男たちも、今季は名誉挽回に燃えているはずだ。今回はセ・リーグで復活を目指す6人を取り上げよう。

■髙橋優貴(巨人)
 オープン戦最終登板で首脳陣を納得させられなかったが、二軍での最終テストを3回完全投球でパスし、開幕ローテーションに滑り込んだ。ドラフト1位で入団した2019年は5勝7敗と負け越しながら、18先発で防御率3.19と及第点。同じ左腕の内海哲也(現西武)が長く着けた背番号26を継承した昨季は8登板に終わったが、今年からは工藤公康(現ソフトバンク監督)も着けていた47番を託されるなど、相変わらず期待も大きい。オフは今村信貴からカーブを学び、春季キャンプで桑田真澄投手チーフコーチ補佐に細かく意見を求めるなど向上に努めている。現時点では他に左の先発がいない状況だからこそのローテ入りという面もあるが、結果で左のエースナンバーを輝かせたい。
 
■藤浪晋太郎(阪神)
 高卒プロ入り直後から順調に歩んだが、近年は深刻な制球難に苦しんできた。昨年は3月に新型コロナウイルス感染が判明し、開幕後も球団ワースト記録の11失点を喫するなど序盤は苦しんだが、ブルペンに移ってからは復調。10月19日のヤクルト戦では自己最速の162キロを叩き出し、シーズン最後の3試合は先発としていずれも自責点0に抑えている。巨人の対抗馬に挙げられるチームの前評判の高さは、藤浪の復調による先発陣のアップグレードが大前提。甲子園の頂を知る右腕が、プロではまだ味わったことのない歓喜を目指し、まずは自身初の開幕マウンドへ向かう。

■福留孝介(中日)
 14年ぶりの古巣復帰となった今年の春季キャンプは二軍で過ごし、3月も教育リーグに参加していたが、19日にオープン戦初出場。21日の日本ハム戦で待望の2ランが飛び出し、開幕前の最後の試合で存在感を示した。昨季はNPB最少の43試合出場に終わり、阪神から構想外に。代打としての「ここ一番での1本」と、根尾昂ら若手の指南役も期待されているが、当人は「スタメンぐらいの気持ちは常に持ちながらやっていきたい」と意気込む。新外国人の入国が遅れ、同じ外野の主力・平田良介もオープン戦で調子が上がっていない状況を考えると、あと91本に迫るNPB通算2000安打達成は、意外なスピードで近付くかもしれない。