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侍メジャーリーガー8人の「2021年のノルマ」――大谷は二刀流完走、ダルビッシュは昨季の再現、筒香は20本塁打以上…〈SLUGGER〉

藤原彬

2021.03.31

今季、メジャーリーグで戦う日本人選手は8人。それぞれの「合格ライン」は一体どこにあるだろうか? 写真:Getty Images

 いよいよ4月1日(現地時間)からMLBが開幕する。今季、メジャーでプレーする日本人メジャーリーガーは8人。それぞれ期待値も違う中、今シーズン求められる「ノルマ」を考えてみた。

■ダルビッシュ有(パドレス)
2021年のノルマ:サイ・ヤング賞級の成績

 支配的な投球を披露し続けた昨季は完全復活どころか、さらに進化した姿を印象付け、日本人初の最多勝。今季も新天地パドレスでアドバイザーを務める野茂英雄からフォークの指導を受け、伊藤智仁(元ヤクルト)型のスライダーと大野雄大(中日)に倣った2シームを取り入れるなど、探究心はとどまるところを知らない。

 昨季と大きく違うのは、ワールドチャンピオンを狙うチームのエースとして開幕を迎える点だ。34歳にして、さらなる高みに到達した2021年。当然、求められる水準も高くなる。地区ライバルであり、自身にとっては古巣でもあるドジャースを倒すためには最低でもエースとしてふさわしい数字、すなわち200イニング前後を投げて防御率3点台前半にまとめたい。もちろん、心技体が揃った今のダルビッシュなら「それ以上」、つまりサイ・ヤング賞級の快投も期待できそうな気がする。そうなれば、パドレスにとって球団創設以来初の世界一もぐっと近づくだろう。
 
■大谷翔平(エンジェルス)
2021年のノルマ:打者100試合・投手100イニングで二刀流完走

 メジャー4年目は、今後の二刀流継続を占う上でも極めて重要なシーズンになる。オープン戦で打率.552、5本塁打と絶好調の打撃は、これまでにもある程度の実績を積み重ねていることもあり、かなり期待が持てそうな雰囲気が漂っている。焦点はやはり投球面。オープン戦では軽々と102マイルを計時して改めてポテンシャルの高さを見せつけた一方で、日によってバラつきが大きく、4試合で防御率12.19。もちろん、健康の問題も常に付きまとう。

 この中で「ノルマ」をどう設定するかは難しいところだが、やはり二刀流としてシーズンを完走することがまずは目標になる。各種成績予測システムでは、野手としては100試合前後、投手としては100イニングにわずかに足りない数字が並ぶ。もちろん、成績の「質」も重要だが、まずは「野手100試合・投手100イニング」が来季以降の二刀流継続へのノルマとなるのではないだろうか。
 
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実は成績予測で評価が割れている前田