2021年のプロ野球が開幕して2か月近くが経つ。球場では、昨年に引き続き収容人数制限が設けられ、歓声を出しての応援も禁止されている。コロナ禍を境にがらりと変わってしまった球場の光景は、アナウンス室からどう見えているのか。場内アナウンサー歴31年目を迎える千葉ロッテマリーンズの谷保恵美さんにお話を伺った。
「去年は7月までお客さんに入っていただけなかったことを思えば、5000人でも来ていただけると選手ももちろん、私たちスタッフも全然やる気が違います」
谷保さんはまず、現状についての思いを語った。
「限られた人数ですけど、皆さん野球を楽しみに来られていると思うので、お客さんの気持ちになると、本当にこの一日を大事に楽しんでいってほしいなという気持ちが強いです。前と比べると、今は行事がすごく楽しみじゃないですか。私が久しぶりの野球観戦ならめちゃくちゃ楽しみだと思うので」
その言葉には、昨年経験した思いが反映されている。3月26日に予定されていた開幕が無期限延期。しばらくの間、いつ開幕できるかも分からない不安な日々を過ごした。谷保さんも、長年プロ野球に携わる中で初めての在宅勤務を経験した。
当初の予定から約3か月遅れで6月19日に無観客で開幕を迎え、7月10日から5000人の制限付きながら有観客開催となった。その時の感慨を、谷保さんはこう振り返る。
「球団事務所からスタジアムに来る数百メートルの間にお客さんを見た時は本当に感激でした。『あぁ、お客さんがいる』って。あの時の感慨は、今までに感じたことのないものでした。スタンドでも、声はないですけど、お客さんがいるっていう雰囲気だけでも全然景色が違いました。それは選手が一番感じたでしょうけどね」
谷保さん自身、無観客で行なわれていた頃はいつもと違う感覚を抱いていたという。
「学生時代や、二軍の試合を担当した時のことを思い出しました。それまで、私がお客さんの声援に頼っていた部分もあったので、自分の声しかしない球場が寂しくて、逆に緊張しました。間違えたら目立ちますし。それまでは、いつもアナウンス室の窓を開けて、お客さんの雰囲気を感じながらアナウンスしていたので、勝手が違いました」
無観客を経験したことで、ファンが戻ってからも新たな驚きがあった。「バットの音、ボールの音、いろいろ聞こえる中でお客さんも試合にすごく集中していて、その息遣いも聞こえるぐらい。『うわー!』と歓声が上がらなくても、そういう雰囲気がありますよね」
「去年は7月までお客さんに入っていただけなかったことを思えば、5000人でも来ていただけると選手ももちろん、私たちスタッフも全然やる気が違います」
谷保さんはまず、現状についての思いを語った。
「限られた人数ですけど、皆さん野球を楽しみに来られていると思うので、お客さんの気持ちになると、本当にこの一日を大事に楽しんでいってほしいなという気持ちが強いです。前と比べると、今は行事がすごく楽しみじゃないですか。私が久しぶりの野球観戦ならめちゃくちゃ楽しみだと思うので」
その言葉には、昨年経験した思いが反映されている。3月26日に予定されていた開幕が無期限延期。しばらくの間、いつ開幕できるかも分からない不安な日々を過ごした。谷保さんも、長年プロ野球に携わる中で初めての在宅勤務を経験した。
当初の予定から約3か月遅れで6月19日に無観客で開幕を迎え、7月10日から5000人の制限付きながら有観客開催となった。その時の感慨を、谷保さんはこう振り返る。
「球団事務所からスタジアムに来る数百メートルの間にお客さんを見た時は本当に感激でした。『あぁ、お客さんがいる』って。あの時の感慨は、今までに感じたことのないものでした。スタンドでも、声はないですけど、お客さんがいるっていう雰囲気だけでも全然景色が違いました。それは選手が一番感じたでしょうけどね」
谷保さん自身、無観客で行なわれていた頃はいつもと違う感覚を抱いていたという。
「学生時代や、二軍の試合を担当した時のことを思い出しました。それまで、私がお客さんの声援に頼っていた部分もあったので、自分の声しかしない球場が寂しくて、逆に緊張しました。間違えたら目立ちますし。それまでは、いつもアナウンス室の窓を開けて、お客さんの雰囲気を感じながらアナウンスしていたので、勝手が違いました」
無観客を経験したことで、ファンが戻ってからも新たな驚きがあった。「バットの音、ボールの音、いろいろ聞こえる中でお客さんも試合にすごく集中していて、その息遣いも聞こえるぐらい。『うわー!』と歓声が上がらなくても、そういう雰囲気がありますよね」