ちょうど折り返し地点を迎えた2021年のプロ野球交流戦。今年は例年とは打って変わって、セ・リーグが善戦している。ここまでセ・リーグの25勝に対してパ・リーグは19勝(7引き分け)。 これまでは、09年のただ一度を除いてすべてパ・リーグが勝ち越しており、もしこのままセ・リーグが勝ち越せば12年ぶりの"快挙"となる。中でも健闘が目立つのが中日とDeNAだ。リーグ順位ではBクラスに沈んでいるこの2チームが、交流戦では何と1、2位を占めるなど"下剋上"を巻き起こしているのだ。
中日は5月25日~27日に行なわれた交流戦最初の3連戦で、昨年日本一のソフトバンクを2勝1分と勝ち越し。さらに6月1日からは、パ・リーグ随一の得点力を誇るロッテと対戦。初戦で柳裕也が1安打完封勝ちを飾ると、続く2試合に先発した小笠原慎之介、勝野昌慶もそれぞれ1失点と好投し、ロッテ打線を3試合でわずか5点に抑え込んだ。このカードも2勝1分。投手絶対有利のバンテリンドームナゴヤの地の利を生かして勝利をもぎ取った形だ。
また、リーグ最下位に沈むDeNAも大奮闘。6月1~3日のソフトバンク戦では、3連戦すべてに4投手以上をつぎ込む必死の継投策が実り、2勝0敗1分と勝ち越し。勝った2試合はいずれも1点差だった。中日とDeNAに限らず、ここまでのセ・リーグは接戦をうまくものにしている印象が強い。実際、1点差試合の勝敗を見るとセ・リーグが12勝2敗と大きく勝ち越している。
これらの番狂わせもあり、ここまで勝ち越しているパ・リーグ球団はオリックスただ1チームという異常事態。ロッテは何とか勝率5割を維持しているものの、ソフトバンクの白星は巨人戦での2試合だけで、交流戦順位は12球団中ワースト2位に沈んでいる。五輪代表招集で抜けたモイネロらキューバ勢の復帰は今月下旬で交流戦には間に合わない。故障の千賀滉大や森唯斗、グラシアルも、交流戦中の復帰の見通しは立っておらず、今後も苦しい戦いが続きそうだ。
ただ、パ・リーグも暗い材料ばかりではない。総得点で見ると、セの205点に対してパが225点。最終的には、勝敗は得失点差の通りに収斂することが多いことを考えれば、今後巻き返す余地は十分ある。「接戦ハナ差勝ち」のセ・リーグがこのまま逃げ切るのか、それともパ・リーグが実力通りの強さをようやく発揮するのか。交流戦後半も目が離せない戦いが続きそうだ。
構成●SLUGGER編集部
中日は5月25日~27日に行なわれた交流戦最初の3連戦で、昨年日本一のソフトバンクを2勝1分と勝ち越し。さらに6月1日からは、パ・リーグ随一の得点力を誇るロッテと対戦。初戦で柳裕也が1安打完封勝ちを飾ると、続く2試合に先発した小笠原慎之介、勝野昌慶もそれぞれ1失点と好投し、ロッテ打線を3試合でわずか5点に抑え込んだ。このカードも2勝1分。投手絶対有利のバンテリンドームナゴヤの地の利を生かして勝利をもぎ取った形だ。
また、リーグ最下位に沈むDeNAも大奮闘。6月1~3日のソフトバンク戦では、3連戦すべてに4投手以上をつぎ込む必死の継投策が実り、2勝0敗1分と勝ち越し。勝った2試合はいずれも1点差だった。中日とDeNAに限らず、ここまでのセ・リーグは接戦をうまくものにしている印象が強い。実際、1点差試合の勝敗を見るとセ・リーグが12勝2敗と大きく勝ち越している。
これらの番狂わせもあり、ここまで勝ち越しているパ・リーグ球団はオリックスただ1チームという異常事態。ロッテは何とか勝率5割を維持しているものの、ソフトバンクの白星は巨人戦での2試合だけで、交流戦順位は12球団中ワースト2位に沈んでいる。五輪代表招集で抜けたモイネロらキューバ勢の復帰は今月下旬で交流戦には間に合わない。故障の千賀滉大や森唯斗、グラシアルも、交流戦中の復帰の見通しは立っておらず、今後も苦しい戦いが続きそうだ。
ただ、パ・リーグも暗い材料ばかりではない。総得点で見ると、セの205点に対してパが225点。最終的には、勝敗は得失点差の通りに収斂することが多いことを考えれば、今後巻き返す余地は十分ある。「接戦ハナ差勝ち」のセ・リーグがこのまま逃げ切るのか、それともパ・リーグが実力通りの強さをようやく発揮するのか。交流戦後半も目が離せない戦いが続きそうだ。
構成●SLUGGER編集部