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「本当に良く投げていた…」敵将マッドンも認めた菊池雄星の好投。不運な緊急降板で「あそこからプランを砕けた」

THE DIGEST編集部

2021.06.07

膝に打球が直撃し、顔を引きつらせる菊池。重傷ではなかったようだが、状態が心配される。(C)Getty Images

膝に打球が直撃し、顔を引きつらせる菊池。重傷ではなかったようだが、状態が心配される。(C)Getty Images

 今季4勝目の権利を掴むまであとアウト3個だった。現地時間6月5日、敵地でのロサンゼルス・エンジェルスで、菊池雄星(シアトル・マリナーズ)は、快調なペースで投げ続けていたなかでアクシデントに見舞われた。

 この日の菊池は堂々たるマウンドさばきを見せていた。初回に大谷翔平、4回にマックス・スタッシにそれぞれソロホームランを打たれたものの、4回まで毎回の8つの三振を奪っていた。
【動画】強烈なライナーが右膝を直撃! 苦悶の表情でマウンドを降りる菊池雄星のアクシデントはこちら

 そんな菊池が予期せぬ事態に見舞われたのは、味方打線が5点を奪って逆転に成功して迎えた5回だ。無死1塁の場面で、エンジェルスの9番デビッド・フレッチャーが放ったライナーが右膝付近に直撃。苦悶の表情を浮かべてマウンド付近に崩れ落ちた左腕は、自力で立ち上がれずに降板を余儀なくされたのである。

 29歳の日本人左腕の緊急降板が試合の潮目を変えたのは言うまでもない。エンジェルスは、菊池が去ってから毎回の10得点と打線が爆発。結局、12-5で勝どきをあげていた。
 
 もちろん不可抗力だ。だが、随所でキレのあるフォーシームやスライダー、そしてチェンジアップを投げ込んでいた背番号18の離脱はマリナーズにとっても痛手だった。試合後の会見でスコット・サーバイス監督は「骨折とかではないと思う。彼は強い気持ちで戻ってくるはずだ」と語ったうえで、「今日のユウセイは本当に良く投げていたんだ。あそこで打球を受けるまでは間違いなく、試合をリードする存在だった」と惜しんだ。

 さらにエンジェルスのジョー・マッドン監督も菊池が離脱した影響について、「彼ら(マリナーズ)のゲームプランが崩れた瞬間だったと思う」と振り返っている。

「フレッチャーの打球を受けるまでの彼(菊池)は、本当によくやっていた。だから、あそこでの降板は、マリナーズのゲームプランを完全に打ち砕いたんだ。我々はそこを上手く利用できたと思う。直後のレンドーンのタイムリーは今晩の最高のヒットだった」

 自軍だけでなく、敵将までもが認めた内容のあるピッチングだった。それだけに菊池の早期復帰が待たれるところだ。

構成●THE DIGEST編集部
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