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プロ野球

前半戦のMVP&新人王を独自選出! セ・パ両リーグともに今季躍進の阪神&オリックス勢が居並ぶ結果に<SLUGGER>

出野哲也

2021.07.22

セ・リーグでは青柳(左上)ら阪神勢、パ・リーグでは吉田(右上)らオリックス勢の活躍が目立つ。佐藤(右下)や宮城(左下)ら新人王候補も両球団からだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

セ・リーグでは青柳(左上)ら阪神勢、パ・リーグでは吉田(右上)らオリックス勢の活躍が目立つ。佐藤(右下)や宮城(左下)ら新人王候補も両球団からだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 両リーグとも激しい首位争いが展開された、激動のプロ野球前半戦が終了した。ペナントレースは東京五輪開催による中断期間を経て8月13日に再開するが、ここではその前に、前半戦の「MVP」と「新人王」を選定した。
【動画】今季のプロ野球界で異彩を放つ虎の大型新人・佐藤輝明の特大満塁弾はこちら

【セ・リーグMVP】
1:青柳晃洋(阪神)
2:岡本和真(巨人)
3:山田哲人(ヤクルト)

 突出した個人成績を残している選手がいない以上、首位争いをしている阪神と巨人の選手を中心に選ぶのが妥当だろう。阪神の野手ではマルテがリーグ7位のOPS.900を記録しているが、打点部門で4、5位につけている佐藤輝明やサンズもいて、マルテだけが際立った功労者ではない。

 一方、投手では青柳の貢献度が飛び抜けて高い。防御率1.79はリーグ唯一の1点台で、8勝も2位。そして13先発中、4失点以上を喫したのは1度だけと安定度もずば抜けていることから、阪神での筆頭候補は27歳の右腕だ。

 その阪神を猛追している巨人では、岡本が27本塁打、80打点で二冠をひた走っている。だが、四球が少なく出塁率がさほど高くない(.337)ため、OPS.910は同僚のゼラス・ウィーラーを下回り6位。そのウィーラーは打率.319で2位、得点圏での.444はトップだが、出場試合数が岡本より17試合も少ないのがマイナス材料だ。

 3番手は、OPS.926と予想以上の健闘でリーグ4位につけているヤクルトの山田。25本塁打と65打点はいずれもリーグ3位以内に入っている。村上宗隆もほぼ同等の成績で、OPS.954(3位)と長けているが、二塁手というポジションを考えると、総合的な貢献度は山田のほうが上だろう。
 
【セ・リーグ新人王】
1:佐藤輝明(阪神)
2:栗林良吏(広島)
3:牧秀悟(DeNA)

 話題性、インパクトの強さを考えれば、佐藤を新人王だけでなくMVPに推す人がいても不思議ではない。20本塁打はすでに左打者の新人最多記録に並んでいて、5月28日の西武戦での決勝弾を含む3発など、印象に残る一発も多い。オールスターにリーグ最多得票で選ばれたのも納得だ。121三振も球団記録をすでに更新しているが、これだけ打てればまったく気にする必要はないだろう。

 栗林、牧も例年ならば文句なしの新人王に選ばれるくらいの好成績だ。クローザーに抜擢された栗林は開幕から22試合連続無失点、球団記録にして新人でのプロ野球を樹立。チームが最下位に沈んでいるため登板機会がそれほど巡ってこないにもかかわらず、リーグ2位の18セーブを稼いでいる。34試合で失点わずか2、防御率0.53/奪三振率14.44と、どれをとっても文句のつけようがない数字が並んでいる。

 開幕から4割を超える打率で突っ走った牧は、調子の波の激しさが気にはなるものの、トータルで見れば立派なもので、17二塁打はリーグ7位タイ。また、山田と同じように二塁を守っているのも評価ポイントで、OPS.786は二遊間の選手では山田に次ぐ数字だ。選外ながら伊藤将司、中野拓夢の阪神勢も名前を挙げておきたい。
 
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