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メジャー通算344発のスラッガーに球宴HRダービー優勝者…侍ジャパンの前に立ちはだかる注目選手たち【東京五輪】

藤原彬

2021.07.25

左からフレイジャー、ゴンザレス、バティスタ。メジャーリーグで一時代を築いた選手たちが金メダルを目指して戦う。(C)Getty Images

 オリンピック野球競技が7月28日から始まる。侍ジャパンの前に立ちはだかる5ヵ国には現役メジャーリーガーは一人もいないが、過去に優れた実績を残した大物選手が何人が参加している。中でも要注目の7人を紹介しよう。

▼ホゼ・バティスタ(ドミニカ共和国)
30歳を前に突如、スラッガーへ変身。10年に54本塁打、11年には43本塁打を放って、2年連続でキングに輝いた。その後も活躍を続け、メジャー通算344本塁打。オールスター選出は6度を数える。ド派手なバットフリップもトレードマークで、15年のプレーオフで一発を打った後にどや顔でバットを高々と放り投げて波紋を呼び、翌年に同じチームと乱闘に発展したことも。メジャーでのプレーは18年限りで、すでに40歳となっているが、最後の一花を咲かせることができるか。

▼エイドリアン・ゴンザレス(メキシコ)
過去4回のWBCすべてに参加したメキシコの英雄。イチローを参考にしたこともある滑らかな打撃フォームが特徴で、メジャー通算2050安打、317本塁打を積み重ねた。一塁守備も柔らかく、ゴールドグラブ獲得は4度。今年はオリンピック出場のためメキシカン・リーグで3年ぶりに現役復帰を果たした。16年に侍ジャパンの強化試合相手として来日した際には、当時所属したドジャースのグッズ一式を大谷翔平へプレゼント。兄エドガーは巨人で2年プレーした。
▼トッド・フレイジャー(アメリカ)
メジャー通算218本塁打を誇る長距離砲。レッズ在籍の2015年には、地元シンシナティで開催されたオールスターでホームラン・ダービー制覇を果たし、16年には40ホーマーも記録した。今年も5月半ばでパイレーツまでプレーし、解雇された後にアメリカ代表に参加。6月には五輪出場を決める試合でホームランを打つなど主軸の役割を果たした。少年時代にはリトルリーグ・ワールドシリーズに出場し、日本のチームとも対戦。決勝では先頭打者弾を放ち、クローザーとして試合を締めくくる漫画のような大活躍だった。

▼デビッド・ロバートソン(アメリカ)
10年から9年連続60登板以上をこなしたタフネスリリーバー。ヤンキース時代は史上最強守護神マリアーノ・リベラにつなぐセットアップ役をこなし、引退後に役割を引き継いだ。ポストシーズン通算30登板を誇り、17年のWBCでは"胴上げ投手"となるなど大舞台での経験も豊富だ。トミー・ジョン手術明けの昨季は実戦登板なしで、今年は独立リーグのチームに在籍。トレードマークのハイソックスは変わらず、スピンの利いたカッターとカーブを見れば、イチローが守る外野を背に投げたかつての雄姿が思い出されるかもしれない。
 
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