ソフトバンクの来季監督に、藤本博史二軍監督の昇格が決定的となった。元日本代表監督の小久保裕紀一軍ヘッドコーチが今季から現場復帰していたのは「次期監督候補」との見方が強かっただけに、この人選には意外と受け取る向きが強いかもしれない。
しかし、あえて強調したい。今回の人事は、まさしくソフトバンクという組織が“新たなフェーズ”に入ったことを示す重要な一手であり、近未来の方向性を示すメッセージでもある。
2011年から、ソフトバンクは三軍を本格稼働させた。このなかで“育成1期生”となったのが、前年の育成ドラフト4位指名の千賀滉大と、5位の牧原大成、そして6位・甲斐拓也だ。
今季は千賀と甲斐が東京五輪の日本代表として金メダルを獲得、牧原もチームに不可欠なオールラウンダーとしての存在感を高めている。以後も、石川柊太(13年育成1位/20年最多勝&最高勝率)、周東佑京(17年育成2位/20年盗塁王)と、育成選手上がりのタイトルホルダーを相次いで生むなど、充実した三軍制を背景にした「育成」は、ソフトバンクの強さの裏付けともいわれるようになってきた。
この三軍発足に際し、球団内で掲げた2大方針があった。それは「選手育成」とともに、同時に「指導者の育成」も行っていくというもの。そのための方法論の一つが、積極的な「人事のシャッフル」だった。
育成に関してプロ野球の世界でよく起こるのが、現場とフロントの不毛な対立だ。期待通りに育たない戦力に対して現場が「なぜこんな選手を獲ってきたんだ?」と“目利きの悪さ”を指摘すると、それに対してフロント、つまりスカウト側が「育てる方の腕が悪いから育たない」と非難する。
しかし、選手を一人ひとり見ていけば、高卒で全国的な実績もない原石型から、大学や社会人で実績を残し、プロですぐに一軍の戦力になる即戦力型まで、選手のレベルや能力はさまざま。そこにチーム事情も重なって、使われ方、育て方は個々で間違いなく変わってくる。
こうした認識のズレをなくしていくために、ソフトバンクはコーチからフロント、あるいは一軍から二軍、三軍と組織内での異動を定期的に敢行。組織全体を俯瞰、熟知することで視野を広げ、双方の狙いや考え方を共有してきた。
しかし、あえて強調したい。今回の人事は、まさしくソフトバンクという組織が“新たなフェーズ”に入ったことを示す重要な一手であり、近未来の方向性を示すメッセージでもある。
2011年から、ソフトバンクは三軍を本格稼働させた。このなかで“育成1期生”となったのが、前年の育成ドラフト4位指名の千賀滉大と、5位の牧原大成、そして6位・甲斐拓也だ。
今季は千賀と甲斐が東京五輪の日本代表として金メダルを獲得、牧原もチームに不可欠なオールラウンダーとしての存在感を高めている。以後も、石川柊太(13年育成1位/20年最多勝&最高勝率)、周東佑京(17年育成2位/20年盗塁王)と、育成選手上がりのタイトルホルダーを相次いで生むなど、充実した三軍制を背景にした「育成」は、ソフトバンクの強さの裏付けともいわれるようになってきた。
この三軍発足に際し、球団内で掲げた2大方針があった。それは「選手育成」とともに、同時に「指導者の育成」も行っていくというもの。そのための方法論の一つが、積極的な「人事のシャッフル」だった。
育成に関してプロ野球の世界でよく起こるのが、現場とフロントの不毛な対立だ。期待通りに育たない戦力に対して現場が「なぜこんな選手を獲ってきたんだ?」と“目利きの悪さ”を指摘すると、それに対してフロント、つまりスカウト側が「育てる方の腕が悪いから育たない」と非難する。
しかし、選手を一人ひとり見ていけば、高卒で全国的な実績もない原石型から、大学や社会人で実績を残し、プロですぐに一軍の戦力になる即戦力型まで、選手のレベルや能力はさまざま。そこにチーム事情も重なって、使われ方、育て方は個々で間違いなく変わってくる。
こうした認識のズレをなくしていくために、ソフトバンクはコーチからフロント、あるいは一軍から二軍、三軍と組織内での異動を定期的に敢行。組織全体を俯瞰、熟知することで視野を広げ、双方の狙いや考え方を共有してきた。