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プロ野球

DeNAは打率トップ10に4人輩出も得点力ダウン。リーグ最下位に沈んだ三浦監督1年目の「課題」<SLUGGER>

萩原孝弘

2021.10.29

ベイスターズファンの期待を背負った“番長”の監督1年目はリーグ最下位。就任時に掲げた得点力アップの目標は無残に散った。写真:萩原孝弘

ベイスターズファンの期待を背負った“番長”の監督1年目はリーグ最下位。就任時に掲げた得点力アップの目標は無残に散った。写真:萩原孝弘

 54勝74敗――1年目の三浦ベイスターズは、セ・リーグ5位から1.5ゲーム差の最下位に沈んだ。投手陣がリーグワーストの防御率4.15に沈んだことや外国人選手の出遅れも痛かった。しかし、チーム打率.258がリーグ2位の打線にも“穴”が見られた。

 打率トップ10には4名が名を連ね、新人の牧秀悟は打率リーグ2位をはじめ記録的なルーキーイヤーを過ごした。規定打席にはわずかに足りなかったが、2年目・オースティンは28本塁打を放ち、OPS1.090は実質リーグ2位と見事な活躍を見せた。しかし、平均得点は前年の4.30から3.91へとダウン。一体ベイスターズに何が起こっていたのか。

「得点力を上げること。いかにしてホームベースを踏むか」。昨年11月17日の監督就任会見にて、三浦新監督が一番の課題として掲げたテーマだった。

 ヤクルトに目前で胴上げされ、最下位が決定した試合後、指揮官は「もうひと押しができなかった。(この日も)残塁も11ということで、ずっと掲げている課題が出てしまった」と声を絞り出した。10月26日の本拠地最終戦は若手中心の打線構成ではあった。しかし、今季の最後を締めくくる試合で、この言葉はなんとも皮肉だった。

【動画】DeNA・牧が“長嶋茂雄超え”のセ・リーグ新人最多二塁打! 伝説誕生の瞬間がこれだ
 春季キャンプではバントなどの小技を反復練習し、練習試合やオープン戦では積極的に盗塁を仕掛けるなど、ラミレス政権時のダイナミックな野球に緻密さを兼ね備えた“番長流ハイブリッド野球”を構築しようとする姿勢が見られた。

 外国人の合流が遅れた開幕時こそ、その理想に沿った野球に期待が持たれたが、4月終了時で借金15と苦しい滑り出し。それでも、来日が遅れていたオースティンとソトの主砲が合流するとチーム状況は上向き、交流戦ではパ・リーグ相手にノーガードの殴り合いを演じて3位の好成績を残した。しかしその反面、機動力は鳴りを潜めていった。

 ホームランが出た試合は貯金12(昨年は9)、出なければ借金31(同14)の数字が示すように、昨年よりも一発頼みが顕著となり、各打者の能力に委ねる戦いに傾倒していった。ゲーム終盤で代走を起用するよりも、もう一度、主力打者に打席が回ることを優先する采配となり、盗塁総数はわずか31個。これはセ・リーグ5位の中日の約半分(60)に過ぎず、しかもそれでいて盗塁成功率53.4%もダントツワーストに終わった。
 
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