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プロ野球

「勝利数」や「完投数」を撤廃して「K/BB」を導入すべし!時代に合った「新しい沢村賞選考基準」を考える<SLUGGER>

出野哲也

2021.12.04

 2021年の沢村栄治賞は山本由伸(オリックス)に決定した。誰もが認める現役ナンバーワン投手は18勝、防御率1.39、206奪三振、勝率.783、4完封と5部門で1位。史上8人目の快挙であり、選考委員会でも満場一致だった。

 ところが、これだけ凄い数字を残しても、沢村賞の受賞基準項目中のうち2つを満たしていない。現在の基準は1982年に定められたもので、①15勝 ②150奪三振 ③10完投 ④防御率2.50 ⑤200投球回 ⑥25登板 ⑦勝率6割だが、山本は投球回数(193.2)、完投数(6)で下回った。

 さらに選考委員は、山本以外の選手が候補にすら上がらなかった点に苦言を呈している。堀内恒夫委員長は「セ・リーグの投手の成績では沢村賞には値しない」とバッサリ。村田兆治も「レベルが低すぎるっていうことも正直感じます」と発言していた。
 
 この発言に真っ向から反論したのがダルビッシュ有(パドレス)だ。11月23日付のツイートで「時代が変わってきている分、起用法も変わりますから数字も変わりますよね。 今の時代にあった評価をしてあげるべきでは?」と指摘したように、投手分業制が当たり前となった現代において、「10完投」「200投球回」は現実的な目標とはとても言えない。

 村田は完投数や投球イニング数が減少したことを指して「レベルが低い」と表現しているのだろうが、投手分業制が浸透したのは現代の先発投手が“軟弱”になったからではなく、むしろ球界全体のレベルが向上したからなのだ。

 堀内が村田が全盛期だった頃は、確かにリリーフは二線級の投手の仕事だった。力の落ちる投手を登板させるよりは、先発に長いイニングを投げさせる方が出血は少なかった。 だが、現代のリリーフは、150キロを超えるスピードボールを投げる投手が当たり前になっており、明らかにレベルが上がっている。

 それに加えて、ウェイト・トレーニングの浸透などによる打者のフィジカル面の向上もあって、試合終盤に疲労した先発投手を投げさせる方がかえってリスクが大きいのだ。それこそダルビッシュの言う通り「時代が変わってきている」のだから、沢村賞も時代に合った基準を考え直すべきではないだろうか。
 

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