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プロ野球

「自分の今までの概念が変わりました」美馬直伝のフォークで“ロッテの育成の星”を目指す森遼大朗の現在地

村岡範子

2022.05.09

昨季はイースタン最多勝に輝くなど着実に成長を遂げている森。育成同期の和田に早く追いつきたい。(写真提供)千葉ロッテマリーンズ

昨季はイースタン最多勝に輝くなど着実に成長を遂げている森。育成同期の和田に早く追いつきたい。(写真提供)千葉ロッテマリーンズ

 4月10日、千葉ロッテの佐々木朗希がオリックス戦で28年ぶり、史上16人目の完全試合を達成した。佐々木自身の素質や才能はもちろんだが、入団1年目はファームでも登板させずに肉体強化に終始し、一軍デビューした2年目も間隔を空けながら登板させた球団の育成法も改めて注目を浴びている。

 佐々木は4月17日の日本ハム戦でも8回まで1人の走者も許さず、あわや2試合連続完全試合達成かと思われたが、102球と球数がかさんだことで9回は投げずに降板。これも、球団の「育成プラン」の徹底ぶりを感じさせる措置だった。
 
 近年のロッテは育成枠からも一軍の戦力が出てきている。昨年は本前郁也が開幕ローテーション入りを勝ち取り、和田康士朗が盗塁王を獲得。そして、2人に続く存在として期待を集めているのが、プロ5年目を迎えた森遼大朗だ。
 2017年育成ドラフト2位で指名され、都城商高から入団。高校3年の8月に左ヒザに全治6か月の大怪我を負っていたため、ドラフト会議で名前が呼ばれた時は車椅子に座っていた。そのため、ルーキーイヤーはリハビリと身体作りの日々を過ごした。「球団はヒザの怪我も込みで取ってくれて、『焦らないで、しっかり準備してから』と言ってもらえていたので、自分もそれをモチベーションにやっていました」。シーズン終盤の9月19日にイースタン・リーグで初登板。やっとプロ野球選手としてマウンドに立てた。
 
 2年目の19年は二軍で17試合に登板し、2勝2敗、防御率6.29。成績は芳しくなかったが、まずは1年を戦い抜いた。育成選手の契約期間は3年なので、まずはそこが一区切りとなる。3年目の20年はコロナ禍で開幕が延期となり試合数が減った中で、森は二軍14試合に登板し、チーム最多の61イニングを投げ抜いた。1勝6敗と負け越したものの防御率は3.84と右肩上がりに数字を改善させた。

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