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MLB

マリナーズ“まさか”の低迷に指揮官は「いい野球ができてない!」。開幕前の下馬評から一転、勝率リーグワースト3位

THE DIGEST編集部

2022.05.27

今季こそプレーオフ出場を目指したマリナーズだが、補強策が嚙み合わず“まさか”(?)の不振が続いている。(C)Getty Images

今季こそプレーオフ出場を目指したマリナーズだが、補強策が嚙み合わず“まさか”(?)の不振が続いている。(C)Getty Images

 このチーム“らしい”と言えばそうだが、さすがにこのスロースタートは予期できなかった。

 メジャーリーグは開幕から早2か月近くが経過。好調なチーム、逆に不調なチームも出てきているが、予想外に苦しんでいるのがシアトル・マリナーズだ。現地時間5月25日の試合を終えて18勝27敗、勝率.400。ア・リーグ西地区最下位に沈み、勝率はリーグワースト3位という体たらくである。

 マリナーズはイチローが渡米した2001年、レギュラーシーズン歴代最高の116勝を挙げて以降は一度もプレーオフに出場することもなく、20年連続逸は現在の北米4大スポーツ最長を更新中。それだけを見れば今季の低迷も予想通りと言えなくもないが、今シーズンの取り巻く状況は明るかった。

 昨年はあと1勝でプレーオフを逃したものの90勝72敗の好成績を収めたチームは、オフに大補強を展開。サイ・ヤング賞左腕のロビー・レイを5年1億1500万ドル(約145億円)で迎え入れると、トレードでも大型三塁手のエウヘニオ・スアレスやジェシー・ウィンカー、巧打の二塁手アダム・フレイジャーも補強した。しかも、マリナーズは球界有数のファーム組織を誇り、超有望株フリオ・ロドリゲスの他にも、ジャレッド・ケルニックやローガン・ギルバートら若手も台頭している。
 
 開幕前に現地有力メディアが行ったアンケートでは、ヒューストン・アストロズの地区優勝予想が多かったものの、マリナーズも人気を集め、優勝に推した米スポーツ専門局『ESPN』のジェシー・ロジャース記者は、「シアトルのオフを見ただろ? 戦力は充実し、昨年レベルにとどまったとしても、ワイルドカード争いができるだけの実力はある」とした。

 が、どうだ。開幕45試合とはいえ、勝率.400のスロースタート。しかも、直近10試合で8敗、27試合では20敗とまったく噛み合っていない。25日の敗戦後、指揮官のスコット・サーバイスは「いい野球ができていない」とふがいなさを嘆いていた。

 チーム防御率4.35はリーグワースト2位、OPSは8位とそこまで悪くないものの、補強組ではフレイジャーとスアレスがOPS.600台、期待のケルニックは打率.140、OPS.509の惨状でマイナー降格と結果を出せていないのが現状だ。レイもイニング数はこなしているが、防御率は2.84→4.75といまひとつな出来にとどまっている。

 マリナーズもこの長い暗黒期の間、積極補強を展開したシーズンもあったが、新加入の選手がことごとく期待を裏切ってきた過去がある。もしかしたら今シーズンも、“いつもの”二の舞になってしまうのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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