プロ野球

巨人は中田翔と増井の“元大物トレード”を狙うべし?躍進中の阪神が獲得すべきは?――2022プロ野球トレード試案<SLUGGER>

出野哲也

2022.07.02

元打点王の中田(右)に、最優秀中継ぎ受賞経験のある増井(左)。元タイトルホルダー同士のトレードはお互いのチームにとってWin-Winに?写真:田中研治(中田)、塚本凛平(増井)

 NPBのトレード期限が7月31日に迫っている。今季はここまで大きな動きがないが、過去2年はトレードで戦力アップを図ったチームが多かった。果たしてここからどんな動きが考えられるのか、3つの"トレード試案"をお送りする。

▼陽川尚将(阪神)⇔田中和基(楽天)

 一時は自力優勝の目が消えるほど低迷していた阪神だが、交流戦以降は急上昇。最下位を脱出しただけでなく、クライマックス・シリーズ進出が十分可能なところまで盛り返している。さらに上を目指すには、リーグ最下位の打率.238に沈んでいる打力を梃子入れしたい。

 特にレフトが弱点となっていて、新外国人で補強できれば良かったのだが、6月下旬に入団の決まったロドリゲスは本職が一塁で「ピントがずれている」ともいわれている。大山悠輔を一塁からレフトへ回す可能性もあるが、大きな犠牲を払わない程度にトレードも検討したい。
 
田中は今季36試合で打率.129と不振ながら、18年は18本塁打、21盗塁で新人王を受賞。20年も80試合で8本塁打を放ったように、長打と足を兼ね備えたスイッチヒッターだ。楽天のレフトは西川遥輝、センターに辰巳涼介、ライトは島内宏明で固まっていて、控えにも武藤敦貴や岡島豪郎がいるなど層が厚く、田中を出せる余裕はある。他にも伸び代の大きさならオコエ瑠偉、パワー重視なら二軍で10本塁打を放っている和田恋でもいいが、最も戦力になる可能性が高いのは田中だろう。

このように外野は充実している楽天も、一塁は新外国人マルモレホスが期待外れ。銀次も打率こそ3割を超えているものの、29本のヒットはすべて単打と迫力不足は否めない。となると、一発長打を秘めた選手を獲得したいところで、陽川は今季ウエスタン・リーグの42試合で.229の低打率ながら、本塁打はリーグトップの6本。右打ちなので、左打ちの銀次と組ませる上でもバランスが良さそうだ。
 
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中田と増井の“元大物トレード”はなぜ必要?