プロ野球

【2022ドラフト候補ランキング|31~50位】ランクアップした近江・山田をはじめ、この春に急成長した選手が評価上昇<SLUGGER>

西尾典文

2022.07.07

夏本番前のドラフト候補ランキングの行方は? 一躍、評価を上げた山田(左)や大学ジャパンの杉沢(右)らが急成長。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

 前回は1月1日に公開した2022年ドラフト候補ランキング。今年のドラフトは、高校、大学、社会人とも絶対的な目玉は不在と言われているが、春のシーズンに大きくアピールした選手も少なくなかった。今回は高校野球の地方大会が本格化する前の段階でのランキングを発表したい。

▼31位:門別啓人[投手・東海大札幌高](前回順位:31位)
(もんべつ・けいと/左投左打)
 北海道を代表する高校生の本格派左腕。柔らかい腕の振りとバランスの良いフォームが持ち味で、好調時は145キロを超えるスピードもマークする。春の札幌地区予選では1試合20三振もマークして注目を集めた。コントロールは安定しているだけに、高い出力を長いイニングで維持することができれば、今年の高校生左腕でもトップの評価となりそうだ。
●タイプ診断:柔軟性◎

▼32位:長谷部銀次[投手・トヨタ自動車](前回順位:21位)
(はせべ・ぎんじ/左投左打/中京大中京高→慶応大)
 社会人で開花しつつある遅咲きの本格派サウスポー。慶応大では故障でわずかな登板に終わったが、素材の良さが評価されてトヨタ自動車に進み、昨年の都市対抗ではリリーフで好投を見せた。都市対抗予選では調子を落としていたが、春先は見事な投球を見せており、プロ側からの注目度も高い。本選で見事な投球を見せれば、上位候補に浮上する可能性もあるだろう。
●タイプ診断:遅咲き、本格派サウスポー

▼33位:戸井零士[遊撃手・天理高](前回順位:圏外)
(とい・れいじ/右投右打)
 今年の高校球界を代表する強打のショート。たくましい体格だが軽快なフットワークで膝の使い方、グラブさばきにも柔らかさがあり、難しいバウンドも難なく処理する。少し加減したような送球が目立つのは課題だが、地肩の強さも十分。また打撃も下半身が強く、緩急にしっかり対応して広角に強く弾き返すことができる。選抜では初戦で敗れたものの、ツーベースを放つなど攻守に抜群の存在感を示した。
●タイプ診断:堅実、強打
 
▼34位:吉田賢吾[捕手・桐蔭横浜大](前回順位:圏外)
(よしだ・けんご/右投右打/横浜商大高)
神奈川大学リーグを代表する強打の捕手。2年秋からクリーンアップを任されると、これまでリーグ戦通算打率4割をマークしている。年々長打力もアップし、この春は1試合3本塁打を含む6発を放って三冠王にも輝いた。スローイングの精度は少し課題だが、地肩も決して悪くない。打てる捕手として貴重な存在だ。
●タイプ診断:強打の捕手

▼35位:光弘帆高[遊撃手・履正社高](前回順位:圏外)
(みつひろ・ほだか/右投左打)
 高いレベルの三拍子揃った高校生ショート。グラブさばきの良さは抜群で、逆シングルでの難しいバウンドも軽々とさばくことができ、スローイングも安定している。打撃もこの春は明らかに力強くなり、長打力もアップした。春の大阪府大会決勝ではライバルである大阪桐蔭高から先制の適時三塁打を放つなど、多くのスカウトの前で見事なアピールを見せた。
●タイプ診断:三拍子揃ったショート

▼36位:山田陽翔[投手・近江高](前回順位:49位)
(やまだ・はると/右投右打)
 下級生の頃から甲子園で活躍している高校生右腕。今年の選抜高校野球も京都国際の辞退による急きょの出場ながら、見事なピッチングを連発してチームを決勝進出に導いた。上背はそれほどないものの高い位置から腕を振ることができ、角度のあるストレートと縦の変化球は一級品。ピンチに強く、走者を背負ってからも粘ることができるのも魅力だ。
●タイプ診断:甲子園のスター

▼37位:立松由宇[捕手・日本生命](前回順位:圏外)
(たてまつ・ゆう/右投左打/藤代高→立正大)
 社会人ナンバーワンの呼び声高い強肩強打の捕手。高校時代から打力には定評があったが、社会人でスローイング、キャッチングが驚くほどレベルアップした印象を受ける。持ち味の打撃も社会人1年目からしっかり結果を残している。残念ながら都市対抗出場は逃したものの、即戦力の捕手として注目度は高い。
●タイプ診断:即戦力捕手
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