マサチューセッツ州ウースターに建てられたポーラー・パークは、レッドソックス傘下3Aウースター・レッドソックスの本拠地として、2021年に開場した収容人員1万人足らずの小綺麗な球場だ。親チーム=レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークとは正反対に、レフトに比べてライトまでの距離が近いため、右翼側に濃紺の巨大なフェンスが設置されているのが特徴である。
8月30日火曜日の昼下がり、そこにやって来たのは、ブルージェイズ傘下バッファロー・バイソンズの筒香嘉智選手だった。
「最初はちょっとキツイっていうか、ひっさしぶりに守ったんで、一塁とは全然、違う場所に張りが出ましたよ」と彼は言った。苦笑いしながらもどこか、楽し気な感じがする。「ひっさしぶり」と強調した部分に、パイレーツ時代のような一塁手ではなく、外野手として出場し続けているリアルな「今」が感じられた。
「マシンとかノックの球を取るぐらいは何ともないんですけど、(バットに)当たった瞬間の前か後ろかっていうのがまだぎこちないというか、瞬間的に分からない時がある。去年、(ドジャース傘下)オクラホマシティから上がった時、守備だけじゃなく、メジャーでは(照明が明るく)打席でもボールが見やすいなって感覚になったんですが、外野を守ってみて(マイナーの照明は)本当に暗いなと思います」
日本プロ野球出身の選手がメジャーリーグで自由契約になる度、我々メディアは、「日本球界復帰も視野?」という原稿を書く。本人の意向をまったく反映しない、「一つの可能性」としての話なのだが、実際、秋山翔吾(現広島)のようにそうなったケースもある。筒香がパイレーツから自由契約になったのは日本プロ野球の移籍期限の後だから、シーズン中に帰国する可能性は最初からなかったわけだが、今オフを含む「今後」の動向が気になる。
「来年のことはまったく考えず、今年メジャーに戻るにはブルージェイズが一番という判断でしたね。(メジャーに昇格できるかどうかは)僕にはどうしても左右できない部分がある。もちろん、打ってなければ上に呼ばれる可能性はゼロなんですけど、打っていてもチーム事情で呼ばれないこともあるし、その辺は今、マイナーにいる現状で、出来ることを毎日やるだけかな」
筒香の「メジャー挑戦」は、すでに山あり谷ありとなっている。DeNAからレイズへ移籍した20年、パンデミックにより大幅短縮された公式戦60試合で、いきなりリーグ優勝、ワールドシリーズ出場を果たした。ドジャースにトレードされた2年目は打撃不振もあって自由契約となったものの、新天地パイレーツでは43試合で打率.268、8本塁打、25打点、OPS.883と、侍ジャパンの主砲の実力を発揮した。
8月30日火曜日の昼下がり、そこにやって来たのは、ブルージェイズ傘下バッファロー・バイソンズの筒香嘉智選手だった。
「最初はちょっとキツイっていうか、ひっさしぶりに守ったんで、一塁とは全然、違う場所に張りが出ましたよ」と彼は言った。苦笑いしながらもどこか、楽し気な感じがする。「ひっさしぶり」と強調した部分に、パイレーツ時代のような一塁手ではなく、外野手として出場し続けているリアルな「今」が感じられた。
「マシンとかノックの球を取るぐらいは何ともないんですけど、(バットに)当たった瞬間の前か後ろかっていうのがまだぎこちないというか、瞬間的に分からない時がある。去年、(ドジャース傘下)オクラホマシティから上がった時、守備だけじゃなく、メジャーでは(照明が明るく)打席でもボールが見やすいなって感覚になったんですが、外野を守ってみて(マイナーの照明は)本当に暗いなと思います」
日本プロ野球出身の選手がメジャーリーグで自由契約になる度、我々メディアは、「日本球界復帰も視野?」という原稿を書く。本人の意向をまったく反映しない、「一つの可能性」としての話なのだが、実際、秋山翔吾(現広島)のようにそうなったケースもある。筒香がパイレーツから自由契約になったのは日本プロ野球の移籍期限の後だから、シーズン中に帰国する可能性は最初からなかったわけだが、今オフを含む「今後」の動向が気になる。
「来年のことはまったく考えず、今年メジャーに戻るにはブルージェイズが一番という判断でしたね。(メジャーに昇格できるかどうかは)僕にはどうしても左右できない部分がある。もちろん、打ってなければ上に呼ばれる可能性はゼロなんですけど、打っていてもチーム事情で呼ばれないこともあるし、その辺は今、マイナーにいる現状で、出来ることを毎日やるだけかな」
筒香の「メジャー挑戦」は、すでに山あり谷ありとなっている。DeNAからレイズへ移籍した20年、パンデミックにより大幅短縮された公式戦60試合で、いきなりリーグ優勝、ワールドシリーズ出場を果たした。ドジャースにトレードされた2年目は打撃不振もあって自由契約となったものの、新天地パイレーツでは43試合で打率.268、8本塁打、25打点、OPS.883と、侍ジャパンの主砲の実力を発揮した。
関連記事
- 元エンジェルス守護神の古巣批判への“違和感”。チーム低迷の責任の一端はあなたにもあるのでは?<SLUGGER>
- 「野球やってるなぁって感じが凄く楽しい」メキシコに近い田舎町で再起を期す安打製造機【秋山翔吾“最後の挑戦”:前編】<SLUGGER>
- 西武復帰説も浮上した交渉の舞台裏。アメリカに引き留めた“夢物語”への微かな期待【秋山翔吾“最後の挑戦”:後編】<SLUGGER>
- 1年目から主力としてシビアに評価される日本人野手たち。「メジャー挑戦」ではなく「メジャー移籍」と呼ぶべきでは<SLUGGER>
- ジャッジが60号到達! “神様ルース”に並ぶ大台に現地メディア賛辞「お辞儀をしよう」。最後はスタントンが逆転サヨナラ満塁弾の祝砲