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MLB

彼らはまだ折れてはいない――「異国のプロ野球への適応」に取り組む鈴木誠也と筒香嘉智の「リアルな今」<SLUGGER>

ナガオ勝司

2022.09.22

「(シーズンの)最初は勢いだけでどうにかなってましたけど、環境の違いはずっと感じていた。日本とのギャップだったりというのは今でも感じていますが、それなりに慣れてきたのかなっていう風には感じるので、打席の中でも冷静に、(最初の)1打席の凡退だったりを自分の中で修正しながら、打席に立てている。そういったところはどんどん成長しているのかなと思いますけど、今日の本塁打で『つかんだ』とか、そういうことはないのかなと思います」

 ようやく「異国でのプロ野球」に慣れつつも、『たかが1本の本塁打』ときっぱり言ったところに、鈴木にとってのリアルな「今」を感じた。ロックアウトとキャンプの大幅短縮、開幕遅延という異常事態で始まった今季、彼は打席で対戦する投手の手足の長さや、彼らが繰り出す球の質や球筋の違い、極端な守備シフトや審判ストライクゾーンのバラつき、チームより個人のパフォーマンスといった野球そのものの違いの他に、練習時間の短さや内容、移動距離の長さと最大3時間の時差など、ゲーム以前の準備段階から、日本とはまったく違う物事への適応を求められてきた。
「いろいろな調整法だったりを、こっちに来てから試してきた。試合前にうまく入っていくまでの準備段階で試していることが、ちょっとずつ、何となく、分かってきたかなって思う。最初はそこに戸惑って、どういうことをしたらいいんだろうと考えました。こっちでは、日本ではあり得ないですけど練習のない日も結構あるので、そういうところでの調整法がすごく難しくて、何もしないで試合に入った日もありましたし、それだとやっぱり体が動かなかったりとか、いろいろ試して失敗しながら繰り返してきました。そういった意味では後半に来て、いい調整ができていると思う」

 鈴木と筒香には、お互いに立ち位置は違えど共通点がある。それは彼らが「異国のプロ野球」に適応するために試行錯誤を繰り返し、ただひたむきに「今、やれること」を継続しているということだ。
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