大谷翔平の偉才ぶりに対する反響は、メジャーのレギュラーシーズンが終わってもなお収まりそうにない。無理もない、今季も彼は投打で異彩を放ったのである。
34本塁打、95打点、OPS.875という主砲級のスタッツを残した「打者・大谷」もさることながら、今季は「投手・大谷」のインパクトが特大だった。いわゆる投手三冠(勝利、防御率、奪三振)はいずれもリーグトップ5にランクイン。さらに被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標「FIP」も2.40とまさに球界トップクラスのエース級の働きを見せた。
さらにメジャーキャリア初の規定投球回にも到達。二刀流をもう一段階グレードアップさせたという意味でも、本人が「安定して毎試合投げられたのが良かった」と自信をのぞかせた今季の投手成績は圧巻。球史に残る彼のキャリアにとってもターニングポイントになりえる1年だった。
まさに絶対的なエースへと飛躍を遂げた1年について「オオタニが魅力的な理由は単なる二刀流だからというだけではない」と断言するのは、米野球専門サイト『Fan Graphs』だ。日々球界のありとあらゆるデータを紹介する彼らは「オオタニは過去最高のシーズン中に、自ら投球を完全に見直した」と分析。これまでの「4シームに依存した投球スタイルからの脱却が進化のカギになった」と説いた。
一体どういう意味なのか。今季も大谷は100マイルを超える速球でねじ伏せる場面はしばしば見られていた。事実、多くの打者が振り遅れるようなシーンはたしかにあった。
この点について、『FanGraphs』は「シーズン途中までは4シームとスプリットに、カーブとカットを織り交ぜることで補完できていた」と指摘。そのうえで、次のように説いている。
「今年3回目以降の登板からスライダーの投球数は増えていき、より球威や変化量も激しくなっていった。そして8月以降にはそれが完全に主体となり、9月には圧巻の成績(防御率1.09、FIP1.87)を生み出した。いまや彼は球界で最高のスライダーを投げている。速度と変化量はかなりのもので、多くの打者が頭を抱えるものとなった」
9月以降はスライダーが投球の50%近くを占めた大谷。彼の投げる4シームについて「奇妙なのだが、周囲が思うほど圧倒的ではなく、打者にとって傑出したものではない」と断言する同サイトは、今季に“ターボシンカー”としても話題となった2シームとスライダーとのコンビネーションが「打者を愚かに見せた」とし、「とくにスライダーはますます依存してもおかしくはないほど支配的だった」と指摘した。
高校時代から大谷は固定観念に縛られず、常に新たな姿を追求し続けてきた。だからこそ、『Fan Graphs』が「オオタニに当たり前の常識は通用しない」と言うように、普通では考えにくいシーズン中の変貌も、彼にとっては想像の範疇なのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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34本塁打、95打点、OPS.875という主砲級のスタッツを残した「打者・大谷」もさることながら、今季は「投手・大谷」のインパクトが特大だった。いわゆる投手三冠(勝利、防御率、奪三振)はいずれもリーグトップ5にランクイン。さらに被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標「FIP」も2.40とまさに球界トップクラスのエース級の働きを見せた。
さらにメジャーキャリア初の規定投球回にも到達。二刀流をもう一段階グレードアップさせたという意味でも、本人が「安定して毎試合投げられたのが良かった」と自信をのぞかせた今季の投手成績は圧巻。球史に残る彼のキャリアにとってもターニングポイントになりえる1年だった。
まさに絶対的なエースへと飛躍を遂げた1年について「オオタニが魅力的な理由は単なる二刀流だからというだけではない」と断言するのは、米野球専門サイト『Fan Graphs』だ。日々球界のありとあらゆるデータを紹介する彼らは「オオタニは過去最高のシーズン中に、自ら投球を完全に見直した」と分析。これまでの「4シームに依存した投球スタイルからの脱却が進化のカギになった」と説いた。
一体どういう意味なのか。今季も大谷は100マイルを超える速球でねじ伏せる場面はしばしば見られていた。事実、多くの打者が振り遅れるようなシーンはたしかにあった。
この点について、『FanGraphs』は「シーズン途中までは4シームとスプリットに、カーブとカットを織り交ぜることで補完できていた」と指摘。そのうえで、次のように説いている。
「今年3回目以降の登板からスライダーの投球数は増えていき、より球威や変化量も激しくなっていった。そして8月以降にはそれが完全に主体となり、9月には圧巻の成績(防御率1.09、FIP1.87)を生み出した。いまや彼は球界で最高のスライダーを投げている。速度と変化量はかなりのもので、多くの打者が頭を抱えるものとなった」
9月以降はスライダーが投球の50%近くを占めた大谷。彼の投げる4シームについて「奇妙なのだが、周囲が思うほど圧倒的ではなく、打者にとって傑出したものではない」と断言する同サイトは、今季に“ターボシンカー”としても話題となった2シームとスライダーとのコンビネーションが「打者を愚かに見せた」とし、「とくにスライダーはますます依存してもおかしくはないほど支配的だった」と指摘した。
高校時代から大谷は固定観念に縛られず、常に新たな姿を追求し続けてきた。だからこそ、『Fan Graphs』が「オオタニに当たり前の常識は通用しない」と言うように、普通では考えにくいシーズン中の変貌も、彼にとっては想像の範疇なのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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