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ジャッジと大谷翔平の“同時受賞”を推挙! 名将マッドンが白熱のMVP争いに斬新意見「ショウヘイは桁違いなんだ」

THE DIGEST編集部

2022.10.11

大谷(中央)とジャッジ(右)。大注目となっている2人のMVP争いに、百戦錬磨の名将マッドン(左)が一石を投じた。(C)Getty Images

 百戦錬磨の名将が「史上最もハイレベル」とされるMVPレースへの持論を展開した。元ロサンゼルス・エンジェルスの指揮官であるジョー・マッドンだ。

 MLB通算1382勝を誇る指揮官が語ったのは、今季のアメリカン・リーグのMVPについてだ。アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の一騎打ちの様相を呈しているこの争いはレギュラーシーズン終了後も白熱。ファンやメディアの間でさまざまな論争が巻き起こっている。

 もっとも、世界中を巻き込んだ論争になるのも無理はない。両雄ともに今季の活躍はヒストリカルなものだった。

 ア・リーグの年間本塁打記録を超える62発を放ったジャッジは、長打率686、OPS1.111という驚異的な打撃を披露。ヤンキースを3年ぶりの地区優勝にも導いた。かたや大谷も投手で15勝、防御率2.33、219奪三振のキャリアハイをマークし、打者としても34本塁打、95打点を記録。史上初の「投打でのダブル規定到達」もやってのけ、球界の常識を覆した。

 そんな歴史的な両雄が繰り広げるデッドヒートは、野球をこよなく愛してきたマッドンも熱視線を送っている。現地10月3日に公開された米ポッドキャスト番組『Who's Got Next』に出演した68歳は、「今年ほど難しいものはない。ペナントレースを争うチームにいたからという理由でジャッジになるかもしれないし、1人の選手の中に2人(打者と投手)の選手が存在するということでショウヘイが手にするかもしれない」と分析。さらに、エンジェルス時代に師弟関係を築いた"愛弟子"への想いを語った。

「ショウヘイは文字通り1人で2人分だ。サイ・ヤング賞とMVP賞の候補、その他にもオフェンス(打者)の様々なカテゴリーの賞にも毎年含まれるだろうね。今年もそうさ。ショウヘイのやっていることは桁違いで、今季のような成績を出している限り、毎年MVPに選ばれるべきだと思う」
 
 一方でジャッジについても「やってきたことはとにかく素晴らしい。私は三冠王を取ってほしかった。ふたたび人々が、打率、打点などの重要性を語り合えるんじゃないかって思ったからね」と賛辞を送ったマッドンは、続けざまに自身の考えを絞り出した。

「この議論からうまく抜け出そうとは思ってない。だけど、私は、今年のMVPは2人に分け与えるべきだと思う。理由はもちろん両方ともふさわしいからだ」

 過去にメジャーリーグのMVP表彰において同時受賞者が誕生したのは、1979年のナショナル・リーグだけ。この時はキース・ヘルナンデス(カージナルス)とウィリー・スタージェル(パイレーツ)が、最終的に216ポイントで並んだために、双方が栄誉を勝ち取った。

 過去に類を見ないほどに激しい争いが予想される今季のア・リーグMVP。マッドンが言うように、ジャッジと大谷が栄冠を分け合っても歴史的だと言えるだけに、その結末から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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