今年のセ・リーグ新人王は、大勢(巨人)と湯浅京己(阪神)のいずれかが受賞すると見られている。
【動画】新人最多タイ37セーブ!大勢の“圧巻ピッチング”をチェック
昨年のドラフト1位で入団した大勢は、開幕からクローザーに抜擢されてリーグ3位、新人タイ記録の37セーブと立派に大役をこなした。対する湯浅は4年目で一軍に初めて定着すると、セットアップマンとしてリーグ最多の43ホールドを稼いだ。
もう一人、中日の髙橋宏斗もリーグ3位の134三振を奪っており、防御率2.47も100イニング以上の投手では5位。本来なら有力候補に挙げられて然るべきだと思えるが、規定投球回も満たしておらず、勝利数も「6」のみという点が物足りないと思われているようだ。
一昔前なら、受賞は大勢で決まりだったろう。抑え投手の地位が中継ぎよりも上、すなわち「37セーブ>>>43ホールド」という感覚が一般的だったからであり、今でもそう見ている人は少なからずいる。しかし、セットアップ役も抑えと同じくらい重要な仕事だとの認識は、以前よりも広まっている。
例えば、抑えが9回に下位打線と対するのと、セットアップマンが8回に中軸と対戦するのを比べた場合、重要度はセットアップのほうが高いはずだ。けれど、中継ぎは同点・逆転を許しても、まだ味方に反撃の機会が残っている。しかし抑えは9回以降に登板した場合、裏の攻撃でリードを許した瞬間に負けが決まる。プレッシャーはクローザーのほうがより大きいのは確かだろう。
単純にセーブとホールドの数を比べれば湯浅のほうが多いが、抑えのプレッシャーという点を考慮すればほぼ互角と言える。そして、大勢は中継ぎとしても8ホールドを記録している。セーブ+ホールドだと大勢は45、0セーブの湯浅は43のまま。この部門では大勢がリードしているのは間違いない。
それでは防御率での比較はどうか。大勢は57試合、57回で自責点13、防御率2.05。湯浅は59試合、58回で自責点7、防御率1.09。イニング数はほぼ同じでも、湯浅の自責点は大勢の約半分で、防御率自体も1点近く低い。
セイバーメトリクスには、ピッチング・ラン(PR)という指標がある。リーグ平均防御率との差でどれだけ優劣があるかを示したもので、計算方式は(投球回数÷9)/(リーグ防御率-個人防御率)である。この数値だと大勢は8.3、湯浅は14.7で、これは先発投手を含めてもリーグ7位にランクされる。防御率/PRでは湯浅の勝ちだ。
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昨年のドラフト1位で入団した大勢は、開幕からクローザーに抜擢されてリーグ3位、新人タイ記録の37セーブと立派に大役をこなした。対する湯浅は4年目で一軍に初めて定着すると、セットアップマンとしてリーグ最多の43ホールドを稼いだ。
もう一人、中日の髙橋宏斗もリーグ3位の134三振を奪っており、防御率2.47も100イニング以上の投手では5位。本来なら有力候補に挙げられて然るべきだと思えるが、規定投球回も満たしておらず、勝利数も「6」のみという点が物足りないと思われているようだ。
一昔前なら、受賞は大勢で決まりだったろう。抑え投手の地位が中継ぎよりも上、すなわち「37セーブ>>>43ホールド」という感覚が一般的だったからであり、今でもそう見ている人は少なからずいる。しかし、セットアップ役も抑えと同じくらい重要な仕事だとの認識は、以前よりも広まっている。
例えば、抑えが9回に下位打線と対するのと、セットアップマンが8回に中軸と対戦するのを比べた場合、重要度はセットアップのほうが高いはずだ。けれど、中継ぎは同点・逆転を許しても、まだ味方に反撃の機会が残っている。しかし抑えは9回以降に登板した場合、裏の攻撃でリードを許した瞬間に負けが決まる。プレッシャーはクローザーのほうがより大きいのは確かだろう。
単純にセーブとホールドの数を比べれば湯浅のほうが多いが、抑えのプレッシャーという点を考慮すればほぼ互角と言える。そして、大勢は中継ぎとしても8ホールドを記録している。セーブ+ホールドだと大勢は45、0セーブの湯浅は43のまま。この部門では大勢がリードしているのは間違いない。
それでは防御率での比較はどうか。大勢は57試合、57回で自責点13、防御率2.05。湯浅は59試合、58回で自責点7、防御率1.09。イニング数はほぼ同じでも、湯浅の自責点は大勢の約半分で、防御率自体も1点近く低い。
セイバーメトリクスには、ピッチング・ラン(PR)という指標がある。リーグ平均防御率との差でどれだけ優劣があるかを示したもので、計算方式は(投球回数÷9)/(リーグ防御率-個人防御率)である。この数値だと大勢は8.3、湯浅は14.7で、これは先発投手を含めてもリーグ7位にランクされる。防御率/PRでは湯浅の勝ちだ。