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プロ野球

DeNA戦力外の宮本秀明。“藤田の心得”を胸に「あきらめたくない。あきらめられない」

萩原孝弘

2022.12.01

DeNAから戦力外となった宮本。果たして彼は“その時”をどう受け止め、今後に何を変えていこうとしているのか。写真:萩原孝弘

DeNAから戦力外となった宮本。果たして彼は“その時”をどう受け止め、今後に何を変えていこうとしているのか。写真:萩原孝弘

 シーズンも終わりを告げた10月15日、横浜DeNAベイスターズの外野手・宮本秀明の電話が鳴った。球団からの連絡にすぐに察しはついた。「心の整理がつかなかったですね」。プロ野球選手のほぼ全員が一度は経験する事象ではあるが、まだ26歳の身には重くのしかかった。

 宮本は2017年ドラフト7位でDeNAに入団。下位指名ではあったが、当時の監督アレックス・ラミレス氏に見出されて開幕一軍キップを手にすると、4月25日に初ホームラン、翌日もスタメン出場して一発を放った。しかし、最終的には21試合の出場にとどまり、打率.160、2本塁打、4盗塁とプロの壁を実感したシーズンでもあった。

 オフには俊足を生かすために内野から外野へコンバートされ、2年間はほぼファーム暮らしとなったが、その間に指導を受けた三浦大輔二軍監督が一軍監督に就任。代走のスペシャリストとして期待され、21年は自己最多の35試合に出場し、今季もスタメン6試合を含む29試合でプレーしてルーキーイヤー以来の一発を横浜スタジアムで放った。二軍では昨年に21盗塁、今季も16盗塁も記録したが、一軍ではここ2年で2個のみ。来季の契約を結ぶまでには至らなかった。
 
 ベイスターズで過ごした5年間。「仁志(敏久二軍監督)には野球論を、万永(貴司)コーチには野球以外の面、私生活なども指導していただきましたし、柳田(殖生)コーチにはふとした時にヒントを送っていただきました。戸柱(恭孝)さん、嶺井(博希)さん、神里(和毅)さん、桑原(将志)さん、(田中)俊太さんにも手を差し伸べていただきました」と、感謝の言葉が続いた。

 そして、今年からは「(石井)琢朗さんと(鈴木)尚典さんに反復練習の大切さ、継続することの大事さと苦しさを教えていただいきました。一軍は若手全員早出で反復練習するのですが、二軍では指名制。だけど身体のキレを出すために一日も欠かさず連続ティーバッティングとベルトラインのティーを10球ずつ、3セットを毎日やると決め、やり遂げました。昨日と今日の身体の状態が分かるようになって、見えてくるものがありました」。

 また、10年ぶりに横浜へ帰ってきた藤田一也の存在も大きかった。ファームの春季キャンプの行われた嘉手納で「最初は趣味の釣りの話から仲良くさせていただききました」と、当初一軍スタートだったが、足を痛めてファーム調整していたベテランと接点を持った。楽天時代から多くの若手に「聞かれれば答えますよ」と惜しみなくアドバイスを送っていた好漢に、宮本も積極的に教えを請うと主に2つのヒントをもらった。
 
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