専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

DeNAはなぜ秋季「キャンプ」をやめたのか。「トレーニング」と銘打った3つの理由とは

萩原孝弘

2022.11.30

三浦政権から秋季キャンプから名称を変更。その理由とはいったい? 写真:萩原孝弘

三浦政権から秋季キャンプから名称を変更。その理由とはいったい? 写真:萩原孝弘

 横須賀の球団施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」で行われていた秋季トレーニングを11月20日に打ち上げたDeNA。三浦大輔監督は合宿性の「キャンプ」を取り止め、「トレーニング」としたことでのメリットを3つ挙げた。

 まずは「暖かいですからね。今のこの時期でも。寒いから沖縄行ってっていうのが、今10、11月でも結構暖かい日が続いていますしね」と気温について触れつつ、「この施設がこれだけ室内もあってブルペンもあって動作解析もできますし、映像もありますし。この人数であれば、これだけの施設があれば十分できますし、スタッフも行き届いていますから」と、DeNAの誇る最新の施設をフルに活用できることも理由に挙げた。

 そして、最も指揮官が重要視したのが「選手個々の自主性」だ。

「終わる時間を決めています。もちろん長くやるのもメリットあると思うんですけど、ある程度時間を決めてその後は自分らで個々、一人ずつ考えてやる時間っていうのも設けています。その時間をどう使うかは選手次第ですけど、こっちは練習中にコーチに教えてもらったこと考えながら練習するのもいいですしね」

 また、寮生以外は自宅から通いとなることに「帰ってから映像も見れますし、映像見るのも練習ですから。身体動かすだけが練習じゃないですから、頭の練習。休ませることも考えて、過ごす時間もしっかり取るために時間決めて終わらせます」と量より質を重視した。
 

 さらに「キャンプではないですからね。トレーニングですから。初日に考えてやること、自分との戦いに勝つこと、もうだめだと思うところから一歩踏み出せるようにと。結構ハードなこと、投手野手ともにやってますけど、そのもうだめだというところで、あきらめるかあきらめないかは自分との戦いだと言う話をしました。

例えばランニングにしてももうだめだと思って抜くか抜かないかは自分次第。そこに負けないでくれ、一歩前に踏み出してほしい。それに勝てるようにとこの秋季トレーニング意識してやってくれと」と選手に問いかけた。

 また、「コーチに教えてもらうのも(午後)4時までにして、その後はどう考えて過ごすか。選手に考える時間を与えないとというところでね。秋季トレーニング徹底的にやってきました。4時以降の取り組みが来季以降かなり大きな差となって表れてくると思います」と、やらされる練習からやる練習へのシフトチェンジも強調した。

 そして、 トレーニング期間も終了したことで「明日からどう過ごすかは本人次第」と断言。 「休むことも大事ですし、また新たな頭の勉強っていうのも大事、リフレッシュすることも大事だと思います。やってきたことをどうつなげていくか。コーチに教えてもらったりすることはできないですから、だからこそ自分で考えて練習する。オフ12月1月どう過ごしてキャンプに持ってくるのか。意識の差がすごく出ると思う。

限られた選手しか出られないんでね。そのへんをどう感じるかどうつかむか、そのためにどう過ごすかだと思います。みんなそうです! オフシーズンの使い方によって差は絶対に出ますから。その差をキャンプ、オープン戦、シーズン入るまでに見極めてやっていきます。考えてやるってところと、コーチの方からもキャンプインにどういう状態で入るために、オフをどう過ごすか。継続ですよ。どうつなげていくか」

 チーム全体のレベルアップには個々の意識変化が必要絶対条件とした指揮官。2位から頂点へ向けた戦いは、すでに始まっている。
 
取材・文・写真●萩原孝弘

【関連記事】最多本塁打11本の近藤健介が超大型契約を提示される「理由」。日本ハムは“絶望的な課題”を克服できるか

【関連記事】ゴールデン・グラブ賞投票の「前進」と「課題」。岡林ら若手の正当な評価は喜ばしい一方、非公開投票による“わだかまり”も<SLUGGER>


【関連記事】物議を醸す日本ハム新球場「ファウルゾーンの広さ」問題。事の発端は野球規則の“解釈”にあった?

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号