日本中がワールドカップに熱狂する中、アメリカから驚愕のニュースが飛び込んできた。
アストロズをFAになっていた今年のサイ・ヤング賞投手ジャスティン・バーランダーが2年8666万ドル(約117億8500万円)でメッツと合意。その数時間後には、快足遊撃手のトレイ・ターナーが11年3億ドル(約348億円)でメッツの地区ライバルで今季リーグ優勝チームでもあるフィリーズ入団に合意という報道が出た。
メッツは“リベンジ”に成功した形だ。3日前にサイ・ヤング賞2度のジェイコブ・デグロムがレンジャーズにFA移籍。ショックに打ちひしがれることなくすぐ方向転換し、今季トミー・ジョン手術から完全復活して3度目のサイ・ヤング賞に輝いたバーランダーに照準を定めた。
そして、タイガース時代のチームメイトでもあるマックス・シャーザーと同じくMLB史上最高額の年平均4333.3万ドル(約58億9300万円)を提示。電光石火で獲得に成功した。ちなみに、妻でスーパーモデルのケイト・アップトンによればバーランダーは「もう一つのニューヨークのチーム(ヤンキース)からもっといいオファーを受けていた」とのこと。だが、「自分たちの選手にブーイングをするようなファンがいないチームに行きたかった」と、プレーオフで不振のアーロン・ジャッジに罵声を浴びせたヤンキースのファンをこき下ろしている。
いずれにしても、これでメッツにはシャーザーに続いて殿堂入り確実な名投手が加入。デグロムが抜けても、すぐに同等の大物を引っ張ってくるあたり、大富豪スティーブ・コーエン・オーナーのワールドチャンピオンへ懸ける強い思いを感じさせる。
ワールドシリーズでバーランダー擁するアストロズに敗れたフィリーズも、世界一への熱意という点では負けていない。ターナーは盗塁王2度の実績を誇る球界屈指の韋駄天で、昨季は打率.328で初の首位打者を獲得。さらに今季は21本塁打、100打点を記録するなど「俊足巧打」ならぬ「俊足強打」の遊撃手だ。米ウェブサイト『MLB Trade Rumors』のFA選手ランキングではジャッジ、カルロス・コレアに次いで3位という評価を受けていた。
フィリーズはオフに入った段階から遊撃手のアップグレードを最優先課題とし、ターナーにも早くからアプローチを懸けていただけに今回の入団自体は特に驚きではない。
注目に値するのは契約内容だ。『Trade Rumors』の予想では8年2億6800万ドルだったのに対し、実際の契約額は11年3億ドル。年平均で比較すると、3350万ドルと2727万ドル。ターナーは1年あたりの年俸を低くする代わりに、長期の保証を確保したことになり、年平均を高くする代わりに2年契約を受け入れたバーランダーとはまったく好対照な契約と言っていい。
ポストシーズンでの快進撃でワールドシリーズまで駆け上がったとはいえ、レギュラーシーズンでは地区3位だったフィリーズ。地区5連覇中のブレーブス、大補強を続けるメッツとの三つ巴の争いは、2023年シーズンを大いに盛り上げるはずだ。
構成●SLUGGER編集部
アストロズをFAになっていた今年のサイ・ヤング賞投手ジャスティン・バーランダーが2年8666万ドル(約117億8500万円)でメッツと合意。その数時間後には、快足遊撃手のトレイ・ターナーが11年3億ドル(約348億円)でメッツの地区ライバルで今季リーグ優勝チームでもあるフィリーズ入団に合意という報道が出た。
メッツは“リベンジ”に成功した形だ。3日前にサイ・ヤング賞2度のジェイコブ・デグロムがレンジャーズにFA移籍。ショックに打ちひしがれることなくすぐ方向転換し、今季トミー・ジョン手術から完全復活して3度目のサイ・ヤング賞に輝いたバーランダーに照準を定めた。
そして、タイガース時代のチームメイトでもあるマックス・シャーザーと同じくMLB史上最高額の年平均4333.3万ドル(約58億9300万円)を提示。電光石火で獲得に成功した。ちなみに、妻でスーパーモデルのケイト・アップトンによればバーランダーは「もう一つのニューヨークのチーム(ヤンキース)からもっといいオファーを受けていた」とのこと。だが、「自分たちの選手にブーイングをするようなファンがいないチームに行きたかった」と、プレーオフで不振のアーロン・ジャッジに罵声を浴びせたヤンキースのファンをこき下ろしている。
いずれにしても、これでメッツにはシャーザーに続いて殿堂入り確実な名投手が加入。デグロムが抜けても、すぐに同等の大物を引っ張ってくるあたり、大富豪スティーブ・コーエン・オーナーのワールドチャンピオンへ懸ける強い思いを感じさせる。
ワールドシリーズでバーランダー擁するアストロズに敗れたフィリーズも、世界一への熱意という点では負けていない。ターナーは盗塁王2度の実績を誇る球界屈指の韋駄天で、昨季は打率.328で初の首位打者を獲得。さらに今季は21本塁打、100打点を記録するなど「俊足巧打」ならぬ「俊足強打」の遊撃手だ。米ウェブサイト『MLB Trade Rumors』のFA選手ランキングではジャッジ、カルロス・コレアに次いで3位という評価を受けていた。
フィリーズはオフに入った段階から遊撃手のアップグレードを最優先課題とし、ターナーにも早くからアプローチを懸けていただけに今回の入団自体は特に驚きではない。
注目に値するのは契約内容だ。『Trade Rumors』の予想では8年2億6800万ドルだったのに対し、実際の契約額は11年3億ドル。年平均で比較すると、3350万ドルと2727万ドル。ターナーは1年あたりの年俸を低くする代わりに、長期の保証を確保したことになり、年平均を高くする代わりに2年契約を受け入れたバーランダーとはまったく好対照な契約と言っていい。
ポストシーズンでの快進撃でワールドシリーズまで駆け上がったとはいえ、レギュラーシーズンでは地区3位だったフィリーズ。地区5連覇中のブレーブス、大補強を続けるメッツとの三つ巴の争いは、2023年シーズンを大いに盛り上げるはずだ。
構成●SLUGGER編集部
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