ジャイアンツのオフシーズンは、「ぬか喜び」がキーワードのまま終わってしまうのだろうか？
　
　ファーハン・ザイディ編成総責任者が早くから積極補強を明言していたことから、今オフの注目チームに挙げられていたジャイアンツ。補強資金も豊富で、ベイエリア出身のアーロン・ジャッジやカルロス・コレアら大物FAの有力移籍先候補と見る向きも多かった。だが、ジャッジを逃し、一度は契約合意にとりつけたコレアもメッツにもさらわれてしまった。現状では負け組一直線の状況に追い込まれている。

　ジャッジの交渉では、ヤンキースが８年契約をオファーしていたのに対し、ジャイアンツはジャッジが希望していた９年契約を提示。争奪戦はジャイアンツ優勢に傾き、一時は『ニューヨーク・ポスト』紙のベテラン記者ジョン・ヘイマンがツイッターで「ジャイアンツに決定」と”誤報”を出したほどだった。
  　ヘイマンはこのツイートを７分後に撤回したが、結果としてこれがジャイアンツの命取りになった。慌てたヤンキースが９年３億6000万ドルの超大型契約を提示する後押しとなり、ジャッジは残留を決断。スーパースター獲得を逃したジャイアンツは地団駄を踏んで悔しがった。

　その後、ジャイアンツはコレア獲得に方向転換。13日に3億5000万ドルで合意に至った。球界最強クラスのショートストップを手に入れ、「新たなチームの顔」を確保できた……はずだった。だが、この喜びもわずか「７日間」しか持たなかった。