侍ジャパン

ヌートバー、吉田正の代表招集内定で近藤の立場が微妙に?WBC侍ジャパン外野陣のメンバーはどうなるのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.01.06

吉田正(左)とヌートバーの代表入り内定は、近藤(中)や柳田(右)の選出にどう影響を与えるのだろうか。(C)Getty Images

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の陣容が徐々に固まりつつある。

 野手陣ではすでに大谷翔平(エンジェルス)、鈴木誠也(カブス)、村上宗隆(ヤクルト)、牧秀悟(DeNA)らの出場が内定する中、1月5日、栗山英樹監督はレッドソックス入りした吉田正尚の招集を明言。さらにラーズ・ヌートバー(カーディナルス)の代表入りも内定しているという。

 低打率ながらパワーと選球眼と強肩を備えたヌートバーと、日本球界を代表するスラッガーとして鳴らした吉田の招集内定で、外野の基本布陣はほぼ固まった。基本メンバーはライト:鈴木誠、センター:ヌートバー、レフト:吉田となる公算が高い。

 となると、次なる関心は控えの外野手として誰が選出されるかだ。外野手枠を5人とした場合、残る2つの椅子をめぐって以下の有力候補が争うことになる。

近藤健介(ソフトバンク)
柳田悠岐(ソフトバンク)
塩見泰隆(ヤクルト)
近本光司(阪神)

 この中で、まず塩見の選出は固いのではないだろうか。実は、ヌートバーはマイナー時代を含めて本職は外野の両翼で、センターは「一応できる」程度。そうなると、「本職のセンター」を一人は選んでおきたいのが一つ。

 また、右打ちである点もプラス要素になるはずだ。ヌートバー、吉田に加えて近藤、柳田、近本も左打ちで、全体のバランスを考えるとここで右を入れておきたいところ。ベンチスタートの試合でも、リードした終盤にヌートバーが吉田の守備固めとしてレフトに回り、センターに塩見が入るという具体的な役割もイメージしやすい。
 逆に、チーム全体のバランスや起用イメージを考えた時に、意外に扱いが難しいのが近藤だ。ワールドクラスのバットコントロールと選球眼を誇る近藤だが、左打ちであることやポジションも含めて吉田と多くの部分で重なってしまう。守備や走塁での貢献を期待できない点も同じ。ならばDHで……といきたいところだが、そこには(同じ左打者の)大谷がいる。

 つまり、吉田がいる以上、具体的な起用イメージが代打しかなくなってしまうのだ。15~16人と思われる貴重な野手枠の1つを、代打オンリーの選手に使うのは果たして得策だろうか。

 塩見が「当確」、近藤が「落選」となった場合、残る1枠を柳田と近本が争うことになる。

 アメリカや中南米の強豪の豪腕投手を打ち崩すことを優先するなら強打の柳田、打ってはバントやエンドラン、盗塁などを絡め、守備でも「1点の重み」にこだわるスモール・ベースボールの貫徹を目指すなら近本だが、明確な優劣はない。最終的には栗山監督の「野球観」次第になるだろう。

 もちろん、外野手枠が6人になることも考えられるし、ファンをあっと言わせるような「サプライズ」があってもおかしくない。ただ、どの選手を選ぶにしても、具体的な起用法についてのイメージと他の選手とのバランスが重要になる。栗山監督が構想する「最強の30人」は、どのような陣容になるのだろうか。

構成●SLUGGER編集部
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