かつて、ここまで期待と不安が同居した新指揮官がいただろうか。
2023年、阪神の指揮を執る岡田彰布監督のことだ。思い起こせば1年前、春季キャンプ直前に矢野燿大監督(当時)が22年限りでの辞任を電撃発表。そこからは、シーズン中にもかかわらず新監督候補として鳥谷敬氏、今岡真訪氏、藤川球児氏といった若手OBや、チームの屋台骨を支える平田勝男二軍監督といった名前が各メディアから続々と挙がった。
ところが、最終的には04~08年まで指揮を執り、05年にリーグ優勝に導いた岡田監督が再登板することが決まった。
先に"期待"と"不安"と書いたが、まずは"期待"から述べていこう。
何よりもまず、岡田監督が阪神では稀有な「優勝を知る指揮官」であることが大きい。就任2年目の05年、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の鉄壁リリーフトリオ"JFK"を構築。強力打線も相まって、現時点で球団最後となるリーグ優勝を成し遂げている。
あれから18年――。和田豊、金本知憲、矢野燿大といった指揮官らが届きそうで届かなかった頂点を目指す上で、「テッペンの景色」を知る岡田監督の存在は実に頼もしい。 現役選手に05年の優勝を経験した者は一人もいない。20代を中心に、若手が主力に定着した今のチームを見ても、このタイミングで優勝経験者がチームの舵を取ることは、理にかなっていると言えるかもしれない。
ただ、そんな期待と同じくらい、いや正直に言うと期待以上に大きいのが就任後に漏れてくる岡田監督の言動に端を発する"不安"だ。
優勝時は47歳だった岡田監督も、現在は65歳。巨人・原辰徳監督の1学年上で、新指揮官とはいえ12球団最年長だ。12年にオリックス監督を退任してから11年間のブランクは長い。
岡田がグラウンドを離れていたこの11年で、球界は劇的な変化を遂げた。トラックマンやラプソードの普及により、それまで感覚でしか語ることのできなかった細かな技術が数値化できるようになり、多くの選手がその数値を自らのプレーに落とし込むようになった。甲子園でも今季から、メジャーで取り入れられている最新の動作解析システム・ホークアイの導入が決まっている。
めまぐるしく変化する最新のテクノロジーの活用は、現代野球で重要なファクターの一つだ。
ただ、就任以降のコメントを見る限り、岡田監督が今の時代に即した指揮官かと言われれば疑問符をつけざるをえない。特に気になったのが以下のコメントだ。
2023年、阪神の指揮を執る岡田彰布監督のことだ。思い起こせば1年前、春季キャンプ直前に矢野燿大監督(当時)が22年限りでの辞任を電撃発表。そこからは、シーズン中にもかかわらず新監督候補として鳥谷敬氏、今岡真訪氏、藤川球児氏といった若手OBや、チームの屋台骨を支える平田勝男二軍監督といった名前が各メディアから続々と挙がった。
ところが、最終的には04~08年まで指揮を執り、05年にリーグ優勝に導いた岡田監督が再登板することが決まった。
先に"期待"と"不安"と書いたが、まずは"期待"から述べていこう。
何よりもまず、岡田監督が阪神では稀有な「優勝を知る指揮官」であることが大きい。就任2年目の05年、ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の鉄壁リリーフトリオ"JFK"を構築。強力打線も相まって、現時点で球団最後となるリーグ優勝を成し遂げている。
あれから18年――。和田豊、金本知憲、矢野燿大といった指揮官らが届きそうで届かなかった頂点を目指す上で、「テッペンの景色」を知る岡田監督の存在は実に頼もしい。 現役選手に05年の優勝を経験した者は一人もいない。20代を中心に、若手が主力に定着した今のチームを見ても、このタイミングで優勝経験者がチームの舵を取ることは、理にかなっていると言えるかもしれない。
ただ、そんな期待と同じくらい、いや正直に言うと期待以上に大きいのが就任後に漏れてくる岡田監督の言動に端を発する"不安"だ。
優勝時は47歳だった岡田監督も、現在は65歳。巨人・原辰徳監督の1学年上で、新指揮官とはいえ12球団最年長だ。12年にオリックス監督を退任してから11年間のブランクは長い。
岡田がグラウンドを離れていたこの11年で、球界は劇的な変化を遂げた。トラックマンやラプソードの普及により、それまで感覚でしか語ることのできなかった細かな技術が数値化できるようになり、多くの選手がその数値を自らのプレーに落とし込むようになった。甲子園でも今季から、メジャーで取り入れられている最新の動作解析システム・ホークアイの導入が決まっている。
めまぐるしく変化する最新のテクノロジーの活用は、現代野球で重要なファクターの一つだ。
ただ、就任以降のコメントを見る限り、岡田監督が今の時代に即した指揮官かと言われれば疑問符をつけざるをえない。特に気になったのが以下のコメントだ。
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