1月26日に栗山英樹監督が自らの口で読み上げた30人のメンバーは、過去4度のワールド・ベースボール・クラシックと比較しても、フレッシュな顔ぶれになったと言える。なにせ、平均年齢は「26.3歳」と歴代最年少のチームなのである。
【画像】WBCに挑む侍ジャパン30名の顔ぶれを厳選PHOTOで一挙紹介!
無論、そのなかには、平成の野球史を彩った“黄金世代”に属する選手たちの名はなかった。「ハンカチ世代」、あるいは「マー君世代」と言われる1988年生まれの選手たちは、6年前に行なわれた前回大会の主軸でもあったが、34歳となってベテランの域に達した選手たちは、次世代の台頭に押し出された格好となった。
長きに渡る日本球史で見ても多くのタレントが居並ぶ稀有な世代だ。現役戦士だけで見ても、“冠”となった田中将大を筆頭に、前田健太、坂本勇人、柳田悠岐、大野雄大、秋山翔吾、澤村拓一など実績も十分な選手たちばかりだ。
2021年の五輪で金メダルを獲得したメンバーには、世代最多となる5人(田中、柳田、坂本、大野、會澤翼捕手※後に辞退)の“1988年組”がいた。つまり彼らはつい最近まで代表の中核を担っていたわけである。
しかし、時代の流れは早い。百戦錬磨の彼らでさえも、村上宗隆や佐々木朗希、山本由伸ら強烈なインパクトを残した若手の台頭には抗えない。実際、近年の彼らは怪我もあって、満足に活躍が出来ていない状況が続いている。この辺りは、かつて「最強世代」と言われた彼らのキャリアが正念場を迎えていると言ってもいいかもしれない。
選出メンバーのうちの大半が初の国際舞台となる今回の侍ジャパン。経験不足の面は、少なからず懸念材料になり得るが、「世界一、それだけ」と目標を力説する栗山監督は、若手主体のチーム構成への見解を示している。
「同じ力であるならば、さらに勢いがついたり、プラスアルファの力をつけて、結果を表してくれる若い選手たちの力というのは必要だと思いますが、今回は特別に若い選手を選ぼうとしたつもりはない。とにかく僕にとっては勝つことが使命なので。『一番勝ちやすい選手』を選ぼうとした」
最年長のダルビッシュ有(37歳)から最年少の高橋宏斗(20歳)まで、幅広い年代の実力者が選ばれた今回の日本代表。黄金世代不在による経験不足を指摘する声がないわけではないが、「この場面ならこういうピッチャーが必要だよな、こういう局面ならこの野手がいるというのを考えただけ」という栗山監督の“野球観”が表れたチームは、いかなる結果を残すだろうか。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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長きに渡る日本球史で見ても多くのタレントが居並ぶ稀有な世代だ。現役戦士だけで見ても、“冠”となった田中将大を筆頭に、前田健太、坂本勇人、柳田悠岐、大野雄大、秋山翔吾、澤村拓一など実績も十分な選手たちばかりだ。
2021年の五輪で金メダルを獲得したメンバーには、世代最多となる5人(田中、柳田、坂本、大野、會澤翼捕手※後に辞退)の“1988年組”がいた。つまり彼らはつい最近まで代表の中核を担っていたわけである。
しかし、時代の流れは早い。百戦錬磨の彼らでさえも、村上宗隆や佐々木朗希、山本由伸ら強烈なインパクトを残した若手の台頭には抗えない。実際、近年の彼らは怪我もあって、満足に活躍が出来ていない状況が続いている。この辺りは、かつて「最強世代」と言われた彼らのキャリアが正念場を迎えていると言ってもいいかもしれない。
選出メンバーのうちの大半が初の国際舞台となる今回の侍ジャパン。経験不足の面は、少なからず懸念材料になり得るが、「世界一、それだけ」と目標を力説する栗山監督は、若手主体のチーム構成への見解を示している。
「同じ力であるならば、さらに勢いがついたり、プラスアルファの力をつけて、結果を表してくれる若い選手たちの力というのは必要だと思いますが、今回は特別に若い選手を選ぼうとしたつもりはない。とにかく僕にとっては勝つことが使命なので。『一番勝ちやすい選手』を選ぼうとした」
最年長のダルビッシュ有(37歳)から最年少の高橋宏斗(20歳)まで、幅広い年代の実力者が選ばれた今回の日本代表。黄金世代不在による経験不足を指摘する声がないわけではないが、「この場面ならこういうピッチャーが必要だよな、こういう局面ならこの野手がいるというのを考えただけ」という栗山監督の“野球観”が表れたチームは、いかなる結果を残すだろうか。
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