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プロ野球

36歳のベテラン涌井秀章が5日連続ブルペン入り「フォームが固まるまで」連投宣言!「年齢よりも体はまだ若い」立浪監督も全幅の信頼

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2023.02.05

キャンプインから5日連続でブルペン入りした涌井。立浪監督からの信頼も厚い。写真:滝川敏之

キャンプインから5日連続でブルペン入りした涌井。立浪監督からの信頼も厚い。写真:滝川敏之

 沖縄県中頭郡北谷町で春季キャンプを張る中日ドラゴンズ。休養前日のキャンプ5日目は、チームリーダーの高橋周平が元気にグラウンドで声を張り上げ、チームの士気を高めている。

 一方の投手陣は、36歳の涌井秀章が、2月1日のキャンプインから5日連続でブルペン入りした。昨年11月に楽天から交換トレードで加入した右腕は、もはや今キャンプの定位置とも言える、ブルペン一番奥の位置に陣取り、表情を一切変えることなく、ストレートだけを投げ込んだ。

 球数は30球にも満たず、今日は控え目に終えた。練習後には「やっぱり5連勤の5連投はきつい」とぼやいたが、「テーマとしてフォームがしっかり固まるまでは(ブルペンに)入る。毎日入る予定なので、次も球数を考えながら状況によって変えていこうと思います」とプロ19年目を迎えたベテランは、マイペースに調整を進め、ペナントレース開幕に照準を定めている。

 2004年にドラフト1位で横浜高から西武に入団した涌井は、2013年オフにFAでロッテに移籍。2019年オフには金銭トレードで楽天へ移籍し、今オフの中日を含めると通算4球団目。セ・リーグ球団は初となる。

 36歳は「ファンが多いと感じたのと、雰囲気も楽しそう」と今キャンプの雰囲気を振り返ると、気になる選手には投手の福谷浩司を挙げ、彼の卒論に興味ができたという。
 
 慶応義塾大卒でプロ入りした福谷と、高卒でプロ入りした涌井は、お互いが全く違った環境で育ってきたこともあり、卒論の話題を振ったところ「面白い卒論だと思ったので見たいなと。でも2万字あると聞いて、3000字ぐらいにしといてと言いました」と、この時ばかりは球界きってのポーカーフェイスの表情が崩れ、笑みがこぼれた。

 チームを率いて2年目を迎える立浪和義監督も、連日ブルペン入りするベテラン右腕には「非常に期待している」と大きな信頼を寄せている。

「あれだけ実績あるピッチャーで2日連続ストレートだけ投げ込んでいましたけど、技術的には素晴らしいと思いますし、年齢よりも体はまだ若いなと思います。期待しています」

 涌井は「一番試合で投げるのはストレートなので。次のクールも今と変わらずいくと思うので、第3クールぐらいからしっかり投げられるように準備します」と徐々にギアを上げていくつもりだという。

 2009年の沢村賞や過去4度(2007、09、15、20年)のパ・リーグ最多勝を獲得するなど、実績は十分。頼れるベテランが、昨季リーグ最下位に沈んだ立浪ドラゴンズの救世主になれるのか、要注目だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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