沖縄県中頭郡北谷町で春季キャンプを張る中日ドラゴンズ。休養前日のキャンプ5日目は、チームリーダーの高橋周平が元気にグラウンドで声を張り上げ、チームの士気を高めている。
一方の投手陣は、36歳の涌井秀章が、2月1日のキャンプインから5日連続でブルペン入りした。昨年11月に楽天から交換トレードで加入した右腕は、もはや今キャンプの定位置とも言える、ブルペン一番奥の位置に陣取り、表情を一切変えることなく、ストレートだけを投げ込んだ。
球数は30球にも満たず、今日は控え目に終えた。練習後には「やっぱり5連勤の5連投はきつい」とぼやいたが、「テーマとしてフォームがしっかり固まるまでは(ブルペンに)入る。毎日入る予定なので、次も球数を考えながら状況によって変えていこうと思います」とプロ19年目を迎えたベテランは、マイペースに調整を進め、ペナントレース開幕に照準を定めている。
2004年にドラフト1位で横浜高から西武に入団した涌井は、2013年オフにFAでロッテに移籍。2019年オフには金銭トレードで楽天へ移籍し、今オフの中日を含めると通算4球団目。セ・リーグ球団は初となる。
36歳は「ファンが多いと感じたのと、雰囲気も楽しそう」と今キャンプの雰囲気を振り返ると、気になる選手には投手の福谷浩司を挙げ、彼の卒論に興味ができたという。
慶応義塾大卒でプロ入りした福谷と、高卒でプロ入りした涌井は、お互いが全く違った環境で育ってきたこともあり、卒論の話題を振ったところ「面白い卒論だと思ったので見たいなと。でも2万字あると聞いて、3000字ぐらいにしといてと言いました」と、この時ばかりは球界きってのポーカーフェイスの表情が崩れ、笑みがこぼれた。
チームを率いて2年目を迎える立浪和義監督も、連日ブルペン入りするベテラン右腕には「非常に期待している」と大きな信頼を寄せている。
「あれだけ実績あるピッチャーで2日連続ストレートだけ投げ込んでいましたけど、技術的には素晴らしいと思いますし、年齢よりも体はまだ若いなと思います。期待しています」
涌井は「一番試合で投げるのはストレートなので。次のクールも今と変わらずいくと思うので、第3クールぐらいからしっかり投げられるように準備します」と徐々にギアを上げていくつもりだという。
2009年の沢村賞や過去4度(2007、09、15、20年)のパ・リーグ最多勝を獲得するなど、実績は十分。頼れるベテランが、昨季リーグ最下位に沈んだ立浪ドラゴンズの救世主になれるのか、要注目だ。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【関連記事】根尾昴、石川昂弥…中日二軍キャンプは若手有望株が目白押し! 一軍メンバーを脅かすのは誰だ?
【関連記事】【キャンプ展望:中日】改造スプリットがMLBでも屈指のレベルに変貌?「投手・根尾昂」の進化への期待<SLUGGER>
【関連記事】ロッテがついに「声出し応援」を解禁!“プロ野球界名物”の復活に他球団ファンからも歓喜の声
一方の投手陣は、36歳の涌井秀章が、2月1日のキャンプインから5日連続でブルペン入りした。昨年11月に楽天から交換トレードで加入した右腕は、もはや今キャンプの定位置とも言える、ブルペン一番奥の位置に陣取り、表情を一切変えることなく、ストレートだけを投げ込んだ。
球数は30球にも満たず、今日は控え目に終えた。練習後には「やっぱり5連勤の5連投はきつい」とぼやいたが、「テーマとしてフォームがしっかり固まるまでは(ブルペンに)入る。毎日入る予定なので、次も球数を考えながら状況によって変えていこうと思います」とプロ19年目を迎えたベテランは、マイペースに調整を進め、ペナントレース開幕に照準を定めている。
2004年にドラフト1位で横浜高から西武に入団した涌井は、2013年オフにFAでロッテに移籍。2019年オフには金銭トレードで楽天へ移籍し、今オフの中日を含めると通算4球団目。セ・リーグ球団は初となる。
36歳は「ファンが多いと感じたのと、雰囲気も楽しそう」と今キャンプの雰囲気を振り返ると、気になる選手には投手の福谷浩司を挙げ、彼の卒論に興味ができたという。
慶応義塾大卒でプロ入りした福谷と、高卒でプロ入りした涌井は、お互いが全く違った環境で育ってきたこともあり、卒論の話題を振ったところ「面白い卒論だと思ったので見たいなと。でも2万字あると聞いて、3000字ぐらいにしといてと言いました」と、この時ばかりは球界きってのポーカーフェイスの表情が崩れ、笑みがこぼれた。
チームを率いて2年目を迎える立浪和義監督も、連日ブルペン入りするベテラン右腕には「非常に期待している」と大きな信頼を寄せている。
「あれだけ実績あるピッチャーで2日連続ストレートだけ投げ込んでいましたけど、技術的には素晴らしいと思いますし、年齢よりも体はまだ若いなと思います。期待しています」
涌井は「一番試合で投げるのはストレートなので。次のクールも今と変わらずいくと思うので、第3クールぐらいからしっかり投げられるように準備します」と徐々にギアを上げていくつもりだという。
2009年の沢村賞や過去4度(2007、09、15、20年)のパ・リーグ最多勝を獲得するなど、実績は十分。頼れるベテランが、昨季リーグ最下位に沈んだ立浪ドラゴンズの救世主になれるのか、要注目だ。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【関連記事】根尾昴、石川昂弥…中日二軍キャンプは若手有望株が目白押し! 一軍メンバーを脅かすのは誰だ?
【関連記事】【キャンプ展望:中日】改造スプリットがMLBでも屈指のレベルに変貌?「投手・根尾昂」の進化への期待<SLUGGER>
【関連記事】ロッテがついに「声出し応援」を解禁!“プロ野球界名物”の復活に他球団ファンからも歓喜の声