プロ野球

「底が知れない」――“令和の怪物”佐々木朗希は「未完成」!完全試合の実況アナが期待するボールとは?「これを使うようになったらヤバい」

岩国誠

2023.02.10

「要点だけスパン!」とコメントする佐々木。マスコミへの対応も慣れてきたようだ。写真:THE DIGEST写真部

 去年、28年ぶりに完全試合を達成した千葉ロッテマリーンズ・佐々木朗希。「令和の怪物」が自らの力を証明して見せたその試合で実況を担当していたのが、元フジテレビで現在はフリーとして活動する吉田伸男アナウンサーだ。WBCでの活躍も期待される佐々木朗希について、入団当初からその成長を見てきた吉田さんに語ってもらった。

「別に朗希君だから僕が担当というわけではなくて、何ヶ月も前から実況を担当する日っていうのは決まっているので、本当にたまたまなんです。ただ、朗希君が投げる試合は結構喋りましたね」

 その"たまたま"で完全試合の実況を担当することになった吉田さん。試合後、佐々木と少しだけ話をする機会があったという。

「30秒くらいでしたかね。本当に純朴で謙虚、腰が低くて偉ぶるところとか全然ないですもんね。あたりも爽やかですし。ただ、会見とかを見ているとすごく言葉を選んで喋っていますよね」

 完全試合を達成したとはいえ、人間的にも成長過程の真っ只中にいる一人の青年。吉田さんの話からそんな一面を感じることができた。高校時代から注目を浴び続けてきた佐々木朗希だが、マスコミへの対応もずいぶん変わってきているという。

「入団当初は緊張もあったと思いますが、その時に比べると結構慣れてきて、こういうことを言ったら記事にしやすいとか、考えてくれるようになっているように見えましたね。受け答えがうまくなってる感じがあります」
 
 プロ3年目の昨シーズン。プロ野球選手としての経験を積むことで、心のゆとりが生まれているのかもしれない。精神的に成長しているということであろう。吉田さんはそんな佐々木朗希について気になっていたことがあった。

「(インタビューなどでの)彼のコメントって要点だけスパン!って言う感じで、いつもシンプルだなって思っていたんです。それが面白いなと思ったので、ちょっと聞いてみたんですね。そうしたら、目をキラリと輝かせて『そうなんですよ。僕、シンプルなんです。普段から物事を見て考える時、なるべくシンプルに考えるようにしているんです』って教えてくれました。多分、たくさんのことを考えているとは思いますが、それをスッキリとシンプルにまとめる力があるのかなと、話を聞いて思いましたね」

 様々な要因に惑わされることなく、常にシンプルに考えることで最適解を導き出す。そうして積み重ねてきたことが、昨年の完全試合を含めた結果につながったというところだろうか。
 
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