3月8日から開幕する第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、全20か国の最終ロースターが現地2月9日に発表された。
ロースター発表後、MLBの敏腕記者であるジョン・ポール・モロシ記者は「今大会はスリリングな試合になる」とMLB公式サイト『MLB.com』のなかで予想を立てており、「第5回大会の注目すべきストーリー」として、WBC各国の注目点を紹介している。
連覇を狙う米国代表については、優勝候補最有力と言われるドリームチームであることは認めているものの、「連覇への道は険しい」と言及する。
今大会の米国代表は過去にないほど、超一流のメンバーを揃えている。主将のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)を筆頭に、ムーキー・ベッツ、クレイトン・カーショウ(ともにロサンゼルス・ドジャース)、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)とMVP受賞経験者が4人。さらに21人がMLBオールスター選出経験のある選手という非常に豪華なメンバー構成となった。
しかし、モロシ記者は「2006年の米国代表には、デレク・ジーター、ケン・グリフィーJr、チッパー・ジョーンズといったのちの殿堂入り選手や、ロジャー・クレメンス、アレックス・ロドリゲスらがいたが、カナダとメキシコに敗れ、準決勝に進出できなかった。勝つために必要な結束力を養うことは急務である」と第1回大会も豪華メンバーを揃えながら、第2ラウンドで敗退した点を指摘。チームの結束力がカギを握ると見解を立てている。
一方、3大会ぶりの優勝を狙う侍ジャパンについては「日本には才能がある。そして大会で培われたものがあり、日本はどの国よりも優勝するための準備が整っている」と好評価を下す。
その理由として、同記者は「侍ジャパンは2019年にWBSCプレミア12を制し、その2年後には自国開催のオリンピックで金メダルも獲得した。それらのロースターから何人かの主力選手がWBCに戻ってきており、17年の大会を怪我で欠場したオオタニも加わっている」と近年の国際試合での充実ぶりや大谷翔平(エンジェルス)をはじめ、5人のメジャー組を揃えた過去最高メンバーに注目しており、優勝候補の最右翼と見ている。
第3回の優勝国であるドミニカ代表は先発投手陣に辞退者が続出したものの、マニー・マチャド、ファン・ソト(ともにサンディエゴ・パドレス)、ジェレミー・ペーニャ(ヒューストン・アストロズ)、ブラディミール・ゲレーロJr(トロント・ブルージェイズ)など、「ロドニー・リナレス監督は史上最高の内野陣を揃えた」と綴り、こちらも優勝候補と見ている。
他にダークホースとして、モロシ記者は中南米のメキシコとベネズエラを挙げている。「メキシコは、2009年以来初めて1次ラウンドを突破し、準決勝に進出する可能性が十分ある。先発のフリオ・ウリアス(ドジャース)をはじめ、投手陣が充実。フェニックスで行なわれるメキシコ対アメリカの一戦は、今大会で最も衝撃的な試合のひとつになる」と予想。
一方のベネズエラも侮れない国だと指摘し「ルイス・アラエス(マイアミ・マーリンズ)、ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)、アンドレス・ヒメネス(クリーブランド・ガーディアンズ)の強力ラインナップに、スーパースターのロナルド・アクーニャJr(アトランタ・ブレーブス)も後発のロースターに加わった」と、昨シーズン打率.316でア・リーグ首位打者のアラエスや首位打者3回、シルバースラッガー賞を5回受賞したアルトゥーベなどを擁する強力打線を警戒している。
はたして、第5回大会を制するのは、ここに挙げた国になるのか。それとも――。世界最高峰の戦いは、開幕までついに1か月を切った。
構成●THE DIGEST編集部
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ロースター発表後、MLBの敏腕記者であるジョン・ポール・モロシ記者は「今大会はスリリングな試合になる」とMLB公式サイト『MLB.com』のなかで予想を立てており、「第5回大会の注目すべきストーリー」として、WBC各国の注目点を紹介している。
連覇を狙う米国代表については、優勝候補最有力と言われるドリームチームであることは認めているものの、「連覇への道は険しい」と言及する。
今大会の米国代表は過去にないほど、超一流のメンバーを揃えている。主将のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)を筆頭に、ムーキー・ベッツ、クレイトン・カーショウ(ともにロサンゼルス・ドジャース)、ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)とMVP受賞経験者が4人。さらに21人がMLBオールスター選出経験のある選手という非常に豪華なメンバー構成となった。
しかし、モロシ記者は「2006年の米国代表には、デレク・ジーター、ケン・グリフィーJr、チッパー・ジョーンズといったのちの殿堂入り選手や、ロジャー・クレメンス、アレックス・ロドリゲスらがいたが、カナダとメキシコに敗れ、準決勝に進出できなかった。勝つために必要な結束力を養うことは急務である」と第1回大会も豪華メンバーを揃えながら、第2ラウンドで敗退した点を指摘。チームの結束力がカギを握ると見解を立てている。
一方、3大会ぶりの優勝を狙う侍ジャパンについては「日本には才能がある。そして大会で培われたものがあり、日本はどの国よりも優勝するための準備が整っている」と好評価を下す。
その理由として、同記者は「侍ジャパンは2019年にWBSCプレミア12を制し、その2年後には自国開催のオリンピックで金メダルも獲得した。それらのロースターから何人かの主力選手がWBCに戻ってきており、17年の大会を怪我で欠場したオオタニも加わっている」と近年の国際試合での充実ぶりや大谷翔平(エンジェルス)をはじめ、5人のメジャー組を揃えた過去最高メンバーに注目しており、優勝候補の最右翼と見ている。
第3回の優勝国であるドミニカ代表は先発投手陣に辞退者が続出したものの、マニー・マチャド、ファン・ソト(ともにサンディエゴ・パドレス)、ジェレミー・ペーニャ(ヒューストン・アストロズ)、ブラディミール・ゲレーロJr(トロント・ブルージェイズ)など、「ロドニー・リナレス監督は史上最高の内野陣を揃えた」と綴り、こちらも優勝候補と見ている。
他にダークホースとして、モロシ記者は中南米のメキシコとベネズエラを挙げている。「メキシコは、2009年以来初めて1次ラウンドを突破し、準決勝に進出する可能性が十分ある。先発のフリオ・ウリアス(ドジャース)をはじめ、投手陣が充実。フェニックスで行なわれるメキシコ対アメリカの一戦は、今大会で最も衝撃的な試合のひとつになる」と予想。
一方のベネズエラも侮れない国だと指摘し「ルイス・アラエス(マイアミ・マーリンズ)、ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)、アンドレス・ヒメネス(クリーブランド・ガーディアンズ)の強力ラインナップに、スーパースターのロナルド・アクーニャJr(アトランタ・ブレーブス)も後発のロースターに加わった」と、昨シーズン打率.316でア・リーグ首位打者のアラエスや首位打者3回、シルバースラッガー賞を5回受賞したアルトゥーベなどを擁する強力打線を警戒している。
はたして、第5回大会を制するのは、ここに挙げた国になるのか。それとも――。世界最高峰の戦いは、開幕までついに1か月を切った。
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