熱狂の14日間がついに幕を開けた。

　３月８日、台湾にある台中インターコンチネンタル球場で行なわれたプールAのオランダとキューバによる一戦で、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）がスタート。そして、９日には東京ドームで行なわれるプールBも開幕。３大会ぶりの優勝を目指す侍ジャパンは、初戦で中国を迎え撃つ。

　日本にとっても見逃せないのが、同じくプールBに属する韓国の動向だ。９日にオーストラリアと対決する彼らは、３大会ぶりのベスト４進出を公言。「まず大事なのは初戦に勝つこと」と意気込むイ・ガンチョル監督を筆頭に一戦必勝のスタンスで臨んでいる。

　もっとも、彼らに対する期待値はそれほど高くはない。トミー・エドマン（セントルイス・カーディナルス）とキム・ハソン（サンディエゴ・パドレス）というメジャーリーガーコンビは招集できたものの、チームは世代交代に失敗した感が否めず……。国内ではベスト４進出すらも怪しいとする声は根強く残っている。

　無論、代表OBは伝統的な勝負強さに期待をする。ニュースサイト『Yonhap News Agency』の取材に応じた元韓国代表のキム・ジェホは、「僕らの代表だって強い。エドマンの存在は戦力強化のうえで大きいと思う」と強調。そのうえで上位進出を果たすために、避けては通れない日韓戦の重要性を説いている。
  「あの重圧を経験していない人は何も知らないんだ。とくに日本でやる日韓戦は緊張感が普通じゃない。いつも以上に巨大なものになる」

　2015年に開催されたプレミア12に韓国代表として出場した経験もあるキム・ジェホ。いまだ現役を続ける37歳は「プレミア12の時も感じたが、日本の投手は本当に凄い。彼らを相手に序盤から失点すれば逆転するのは不可能だ。だから守りが大事になる」と指摘。そして、実体験に基づいた日韓戦を制するための秘訣を論じた。

「常に準備を怠らないこと。それと日韓戦は気の戦いになる。そういう目に見えないものが存在する。気持ちの部分で負けないようにしてほしい」

　最後は気――。初戦の結果次第で日韓戦は、かつてないほどに緊張感のある熱戦となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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