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藤浪晋太郎、いまだ発展途上。ア軍コーチが説く“覚醒”への道「日本の期待に応えようと、プレッシャーをかけすぎてる」

THE DIGEST編集部

2023.04.17

3連敗と苦しいスタートを切った藤浪。いまだ初勝利を掴めずに右腕だが、周囲の信頼は揺るぎない。(C)Getty Images

3連敗と苦しいスタートを切った藤浪。いまだ初勝利を掴めずに右腕だが、周囲の信頼は揺るぎない。(C)Getty Images

 憧れだった“野球の本場”についに立った藤浪晋太郎(オークランド・アスレティックス)は、今季初勝利を目指して格闘の日々を送っている。

 現地4月15日には、本拠地でのニューヨーク・メッツ戦に先発登板。6回0/3(92球)を投げ、被安打4、3失点。自身にとっては3戦連続での黒星を喫した。

 この日は6回終了時点での四死球がわずか2個と課題だった制球の乱れも少なく、4シーム、スプリット、スライダーを効果的に使い分けられた藤浪。しかし、チームが1点をリードしていた7回の先頭である相手主砲ピート・アロンソに特大の同点ソロ本塁打を打たれると、直後にダニエル・ボーゲルバックへ四球を与えたところで降板。またしても勝利は掴めなかった。

 もっとも、アスレティックスは再建の真っただ中にある。多くの主力を放出する“ファイヤーセール”を敢行して迎えた今季は戦術のメッツ戦を終えた時点で3勝12敗と大幅に負け越し。なにも勝ち切れない要因が藤浪にだけあるわけではない。

 ゆえに首脳陣から29歳の日本人右腕に対する信頼は微塵も揺るがない。地元紙『Daily Democrat』の取材で「フジは常にいい選手になりたいと思っているし、我々もそうなれると思っている。彼がここに来られたのは、そうなれるだけの理由があるからなんだ」と強調するスコット・エマーソン投手コーチは、いち早く結果を残せなければと焦る藤浪に対する想いを語っている。
 
「彼が長いことアメリカに行きたがっていたのは知っている。ショウヘイ(大谷翔平)が高校時代のライバルだったからね。そのせいか、フジは日本や周りの期待になんとか応えたいと思って、必要以上にプレッシャーをかけてしまっていると思うんだ。だから、私は彼に『フジナミはフジナミであればいいんだ。君自身であれば十分なんだ』と伝えたことがある」

 さらに「いつかは落ち着いてくるだろうし、自信をつければ勝てるようになる」と断言するエマーソン投手コーチは、阪神時代から異彩を放った藤浪のポテンシャルについて、次のように論じてみせた。

「彼のボールはメジャーリーグで通用するエリートなレベルを持っている。あとはプレートに対して方向性を保って、良質なストライクを投げることに集中し続けることが大事になってくる」

 まだまだ研鑽の日々は続く。それでも「全体的には良かった」(本人談)というメッツ戦のように着実に前進はしている藤浪。彼が熱心な指導を続けてくれる首脳陣のもとで、特大のスペックを覚醒させる瞬間を見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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