プロ野球

「1988年世代」投手陣の現状は?トップを行く田中将大と前田健太はプレーオフで好投。大卒組は明暗分かれる

藤原彬

2019.12.07

田中将大(左)と前田健太(右)はともに1988年生まれ。同世代ではトップランナーだ。写真:田口有史

 これまで「1988年世代」は育成を含めて94人がプロの門を叩いた。「豊作」と評された世代の投手は計55人で、現在はその数を日米計18人まで減らしている。いずれの選手も30歳を超え、特に先発で結果を残す投手は希少な状況になってきた。

 トップランナーと言える田中将大(ヤンキース)と前田健太(ドジャース)は世界一を狙うメジャーの名門でプレーを続けている。

 今季の田中は4度目の挑戦にして初の開幕戦白星を手にしたが、縫い目の高さが違う"飛ぶボール"使用のあおりを受けて伝家宝刀スプリッターがイメージどおりに落ちず、レギュラーシーズンは自己ワースト2位の防御率4.45と苦しんだ。ただ、ポストシーズン3先発では2勝、防御率2.25と安定した投球で持ち前の勝負強さに再び脚光。7年契約の最終年となる来季は、集大成のパフォーマンスが期待される。
 
 前田は2年ぶり2ケタ勝利(10勝)を挙げたが防御率4.04で、シーズン終盤にはチームのポストシーズン編成により先発ローテーションを外れた。例年通りブルペンへの配置転換となったが、地区シリーズ4登板で1安打無失点と、難しい役割をしっかりとこなしている。対左打者に被打率.247/被OPS.750と分が悪く(対右には.158/.535)、前年同様の課題克服が先発専念の希望をかなえるポイントになりそうだ。

 2人と同じ2006年高校生ドラフト1位で日本ハムへ入団した吉川光夫は、16年オフの巨人移籍を経て、今年6月にトレードで古巣へ復帰。出戻り後は先発も任されたが、一軍では防御率7.94と近年同様に滅多打ちされ、正念場を迎えている。同じく、元ドライチピッチャーの大嶺祐太(ロッテ)は年始にトミー・ジョン手術を受けて今季はプレーせず、来年は育成選手として再起を図ることになった。
 
NEXT
PAGE
キャリア最高の成績を残した投手がいれば、ユニフォームを脱ぐ投手も