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日本人初のサイ・ヤング賞も見えた!? 味方捕手が「エグい」と唸った大谷翔平の快投はMLB最強右腕級だった

THE DIGEST編集部

2023.04.22

味方捕手も驚いた大谷の投球。昨季よりもグレードアップした感のある技術で相手打線を牛耳った。(C)Getty Images

「今日のショウヘイは全てが機能していた。変化球に、速球、今夜に彼が投げた球は全てがえぐかったよ」

 これは現地4月21日に行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦で、先発登板した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の投球をマスク越しに見つめたチャド・ウォラックが試合後に地元局『Bally Sports West』に漏らした言葉だ。正捕手ローガン・オホッピーの負傷離脱に伴って、急遽、マイナーから昇格してきた31歳は、メジャー屈指の剛腕が見せた快投に度肝を抜かれたわけである。

 この日、大谷が見せた投球は圧巻の一語である。降雨の影響による中断もあった前回のボストン・レッドソックス戦から中3日、さらにその間にはニューヨーク・ヤンキースとの3連戦に打者として出続けているというタフなマウンドだったが、7回(102球)を投げて、被安打2、11奪三振、2四球、無失点。文字通り相手打線を寄せ付けない好投だった。

 とりわけ凄まじかったのは6回からの2イニングに見せた6者連続三振だ。本人が「後半疲れたかなと思った」と振り返ったように、疲労の色が見え始めた終盤は相手打線から今季に決め球として使っているスイーパーを狙い打ちされる状況下だった。だが、ここで大谷は卓越した投球術を披露。4シームとカーブ、スプリットを巧みに操って、相手の上位打線を完全に翻弄した。
 
 防御率も0.64にまで落とし、WHIP(投手が1イニングあたりに許した走者の値)も「超優秀」の部類に入る0.82と、まさにエース級のピッチングと言えよう。そんな大谷の投球は球史に残る水準に達している。というのも、過去9試合先発連続で被安打3以下なのは、現代野球が始まったとされる1901年以降でジェイコブ・デグロムの10試合連続に続く歴代2位の大記録。さらに開幕からの5先発で被打率が.092なのだが、これは1916年以降で歴代1位に当たるのだ。

 もはや手のつけようがない「投手・大谷」。開幕からの5登板で、相手に会心の当たりを打たれるような場面はなく、その内容も上々だ。

 もちろん、まだレギュラーシーズンは始まったばかりだ。相手チームの研究が進めば、大谷が攻略される可能性もある。だが、世界一となったワールド・ベースボール・クラシックから何か違うと感じさせる天才ならば、日本人史上初となるサイ・ヤング賞受賞の偉業も可能なのではないか――。そう思わずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部

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