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MLB

千賀は順調な滑り出し、吉田は不振から脱却も藤浪は大苦戦…新人侍メジャーリーガーの開幕1ヵ月を評価<SLUGGER>

藤原彬

2023.05.02

千賀(左)と吉田(中央)は順調なスタートを切ったが、藤浪(右)は予想以上に苦しんでいる。(C)Getty Images

千賀(左)と吉田(中央)は順調なスタートを切ったが、藤浪(右)は予想以上に苦しんでいる。(C)Getty Images

 今季から新たに3人のサムライが活躍の場をメジャーリーグに移した。果たして彼らの開幕1ヵ月はどのようなものだったのか。通信簿形式(よくできました/まずまずです/可もなく不可もなく/がんばりましょう)で振り返ってみよう。

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■吉田正尚(レッドソックス)
 3月30日の開幕戦で2安打を放ち、順調なメジャーデビューを飾ったが、その後は「どんな球にも手を出すダボハゼ状態」(地元紙『プロビデンス・ジャーナル』)に陥り、内野ゴロを叩き続けて4月半ばには打率.167まで落ち込んだ。打球速度も平均値まで届かず、先行きが心配されたが適応も早く、20日から10試合連続安打と上司気流に乗って4月を終えた。

 センターから逆方向を中心に安打を積み重ねながら、23日のブルワーズ戦では日本人メジャーリーガー初の1イニング2ホーマーを叩き込むなど“マッチョマン”パワーもアピール。三振数(11)以上の四球数(12)を選ぶなど、卓越した打席アプローチやコンタクト能力も健在。今のまま長打も量産できれば、5年9000万ドルの契約成立時に聞こえた批判は完全に封じられるだろう。

通信簿:よくできました


■藤浪晋太郎(アスレティックス)
「環境が変わればもしかすると……」との淡い期待は早々に砕け散った。メジャー1年目にして開幕2戦目の先発マウンドを託され、10年ぶりに大谷翔平(エンジェルス)との対戦も実現したが、4先発でメジャーワーストの24失点を喫して4連敗。現地メディアからは「球史で最悪の先発投手の一人」とも酷評された。その後はブルペンへ配置転換も薬にはならず、四球から突如崩れるパターンを繰り返して防御率は13.00に。
 速球の平均球速97.0マイルはメジャーでも上位で、スプリッターとスライダーでは高い割合で空振りを奪い、「スペックはメジャー級」の看板に偽りなしは証明できた。とはいえ、16奪三振と同じ16与四球に加えて3与死球に3暴投の一人相撲を解消しなければチームからの信頼は勝ち取れない。

通信簿:がんばりましょう

■千賀滉大(メッツ)
 本拠地シティ・フィールドのバックスクリーンにお化けのアニメーションが映し出されるなど、代名詞の“ゴーストフォーク”を海の向こうでも定着させた。空振り/スウィング率53.5%に達する決め球を武器に、メジャーでもNPB時代と大差ない奪三振率11.08をマーク。4月2日のメジャー初登板初勝利を皮切りに4先発で3勝と、離脱者続出の先発陣で勝ち頭になっている。

 ただ、全登板で3四球以上を与えるなどコントロールには改善の余地あり。スイーパーも含めて変化の大きい球は諸刃の剣でもあり、本人も追い込んでからもフルカウントを作ってしまっている点を課題に挙げている。投手有利のカウントでは被OPS.400に抑えているが、打者有利だと.918まで跳ね上がっている。制球が安定すれば、イニングもさらに多く稼げるはずだ。

通信簿:まずまずです

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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