プロ野球

売り出し中の頌樹と“村上様”に加え、史上初のメジャーリーガーにベストナイン捕手もランクイン――これが“オールタイム村上ベスト5”だ!<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2023.06.04

昨季は“村神様”こと村上宗隆(左)、今季は村上頌樹(右)とNPBでは2年連続で村上が話題をさらった。過去の村上姓の選手たちはどうだったのか?写真:THE DIGEST写真部(村上宗隆)、産経新聞社(村上頌樹)

 今、NPBは空前の"村上ブーム"だ。

 昨季、"村神様"こと村上宗隆(ヤクルト)が史上最年少で三冠王となったのに続き、今季は村上頌樹(阪神)が開幕から快投を続けている。この、村上が最もアツいタイミングに乗じ、「オールタイム・ベスト村上」を決定すべく、過去にNPBでプレーした17人の村上(うち現役4人)の中から、ベスト5を選んでみると以下のようになった。

5位 村上之宏(元南海)&村上頌樹(阪神)

 前者の読み方は「ゆきひろ」。日本通運浦和から1976年ドラフト4位で南海から指名され、翌年の交渉期限ギリギリに入団した右腕投手だ。

 スリークウォーターから投じる角度のある速球とカーブを武器にルーキーイヤーから先発にリリーフにとフル回転。やや調子の波は激しかったが、最終的に40登板で5勝8敗3セーブを記録。ルーキーでは唯一規定投球回に到達し、「一生に一回だから何とか獲りたい」と宣言していた新人王を見事受賞した。

 一方、2021年ドラフト5位から這い上がり、大卒3年目にして開幕から31イニング無失点のプロ野球タイ記録を達成するなど、快進撃を続ける頌樹のことは、いまさら多くを語るまでもないだろう。インパクトはセ・リーグのルーキーの中でも随一だけに、今の勢いを持続できれば、之宏と宗隆に次ぐ村上史上3人目の新人王を受賞できる可能性は高い。
 
4位 村上隆行(嵩幸/元近鉄ほか)

 リストの強さを生かした勝負強い打撃で、1990年代の近鉄いてまえ打線の一角を担ったスラッガー。大牟田高時代は強打の二刀流選手として活躍し、元首位打者の球団の英雄・佐々木恭介の強い推薦を受けて83年ドラフト3位で近鉄に入団した。プロ入り後は遊撃手にコンバートされ、名コーチ中西太の指導を受けて85年にレギュラーを手中に収めると、以後9年間で8度の2ケタ本塁打を記録した。

 故障が多く、規定打席到達は17年で3度のみながら、通算147本塁打のうち、サヨナラ弾は3本、満塁弾も2本と、ここぞという場面に強かった。87年にはオールスターに選ばれて2打席連続ホームラン、88年には負ければ優勝の望みが断たれる「10.19」のダブルヘッダー第1戦の8回に、起死回生の同点二塁打を放って2戦目に望みをつなぐなど名場面も多く、タイトル獲得こそないが「プロ野球村上史」に欠くべからざる1ページを刻んだ選手だ。

3位 村上公康(元ロッテほか)

 強肩強打で2球団の扇の要を担った捕手。西条高では3年時に甲子園ベスト4入りに貢献し、立教大(中退)、日本楽器でも活躍。66年ドラフト4位(第1次)で西鉄ライオンズ(現西武)に入団した。1年目から一軍入りし、3年目の69年に正捕手の座をつかんでキャリアハイの14本塁打を放っている。

 70年に勃発した八百長事件、黒い霧事件にかかわったとの疑惑をかけられ、72年にトレードでロッテへ放出されるも、新天地でも再び正捕手の座を奪取。村田兆治の落差のあるフォークをノーサインで捕球するなど、卓越したキャッチングと強肩で投手陣を引っ張り、74年には94試合で9本塁打、盗塁阻止率49.4%と攻守にわたる活躍で球団の日本一に貢献。ベストナインとダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)を受賞した。村上姓ではほぼ唯一の実績豊富な捕手だ。
 
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2位は史上初のメジャーリーガー、1位は当然あの男!