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プロ野球

ドラ1ルーキー矢澤宏太の“二刀流”を野球ライターはどう評価する? 守備、走塁は一流レベルも投打で課題が浮き彫りに【日本ハム】

西尾典文

2023.06.13

“二刀流”の矢澤は、投手としては2試合、野手では33試合に出場する。写真:産経新聞社

“二刀流”の矢澤は、投手としては2試合、野手では33試合に出場する。写真:産経新聞社

 年々レベルが上がり、1年目からルーキーが活躍することが難しくなっているプロ野球。そんななかで、“二刀流”として注目を集めているのが矢澤宏太(日本ハム)だ。高校ではプロ志望届を提出しながら指名漏れとなったが、日本体育大では投手、野手それぞれ2回(野手は外野手1回・指名打者1回)のベストナインに輝くなど、見事な活躍を見せてドラフト1位でプロ入りを果たしている。

【動画】これが世界の矢澤! 体を張った守備をチェック

 投手としてまず際立っているのが欠点の少ないフォームだ。173cmと上背はないものの、テイクバックでスムーズに肘が高く上がり、縦に腕が振ることができるため、ボールの角度も申し分ない。大学時代は少し踏み出した右足の膝が突っ張るのが気になったものの、プロ入り後のここまでの登板を見る限り改善しているように見える。現在のストレートは145キロ前後と驚くような速さはないが、フォームが良いだけにまだまだスピードアップする可能性は高いだろう。
 
 ピッチングで大きな武器となっているのがスライダーだ。ストレートと変わらないフォームで投げられ、同じ軌道から打者の手元で鋭く変化する必殺のボールで、ここまで一軍で奪った3個の三振も決め球は全てスライダーだ。長いイニングを投げるためには他にも頼れるボールは必要だが、リリーフでの起用であれば、まずはストレートの球威アップとボールの精度を高めることが重要になるだろう。

 投手と比べてより即戦力度が高いのが野手としてのプレーだ。ここまでは33試合に出場して16安打、1本塁打、2盗塁、打率.184とそこまで目立つ数字は残していないが、一軍の投手に対しても比較的早く対応している印象を受ける。決して当てにいくようなスウィングをせず、全身を使ったフルスウィングで変化球にもついていけるのが大きな持ち味だ。ここまで16安打中長打が5本(二塁打4本、本塁打1本)というのも、非凡な長打力を証明している。
 
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